出版社内容情報
「ポピュラー音楽」なんていうジャンルはない? すべての音楽はポピュラー化する? 一見して難解なテーマを丁寧にかみくだき、現代の音楽の本質にずばり迫る、相倉イズムの70年代ロック&ポップス論。「ジャズとロックは音楽的に異なるだけではない。サックスなどの楽器は身体の延長であり道具だが、ロックは機械を活用したメディア音楽である」という視点から始まる相倉ロック論を集大成し、「ロック時代の音楽の特性」を概括。『相倉久人の超ジャズ論集成』に続く待望の書が登場!
[目次]
第一講 ポピュラー音楽などというジャンルはない?
ポップス化とは音楽の中で共同体が崩れること
すべての音楽はポピュラー化する
ポピュラー音楽のファッションと機能
第二講 都市とメディア、そして音楽
裏のない紙―メディア・ファッション・ノート―
都市音楽についてのすこし抽象的なおしゃべり
エレクトロニクスは音楽をどう変えたか
多元時間を切りとるアンテナ
第三講 メディア時代のブラック・ミュージック
『魂之素(そうる)』
ポップス化するソウル
ブラック・ミュージックを超えてその底を流れる力が浮上する
ブルースの伝統をうけつぐのは
第四講 賑やかで猥雑なロックの七〇年代
白地図をポケットにアメリカを行く
ペーパー・トリップ―ぼくの目線をよぎったブライアンとレナード―
日本で四文字の名詞に押し込められた“プログレ”ロック
シュールセクシュアリスム―性を超えるエロス―
大洪水のあとの七〇年代はビートルズの解散に始まり、地獄の観光船となって八〇年代に向かう
第五講 無国籍風の日本語がロックする
ちょっとまじめなロックのおしゃべり
ライフスタイルとしてのロックの成熟度をはかる
日本語のロックが生まれるとき
歌のオリジナリティと“音楽”のとどく距離
憂歌団が落としていったパチンコの玉
※『機械じかけの玉手箱』(1975年 音楽之友社)、『ロック時代ゆれる標的』(1977年 文化放送)、『都市の彩・都市の音』(1982年 冬樹社)をもとに編集制作。
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