内容説明
幾度の発禁処分を乗越えた雑誌『薔薇族』編集長が語る極秘エピソードの数々!三島由紀夫が書いたとされる『愛の処刑』をめぐる貴重な論争を完全収録。『薔薇族』的に見る三島由紀夫考は圧巻。
目次
第1章 戦後の昭和二十年代、三十年代のゲイ事情
第2章 ぼくにしか書けないものを!
第3章 『薔薇族』的三島由紀夫考
第4章 『薔薇族』の読者が通らなければならない、結婚という関所!
第5章 少年愛は悲しい愛なのか
伊藤文学のしみじみ対談 私が愛したノンケ少年二百人…その愛と別れと
おわりに 多くの秀れた才能に出会えたぼくは幸せ者だ
著者等紹介
伊藤文学[イトウブンガク]
昭和7年3月19日生まれ。下北沢の代沢五丁目に七十四年間住んでいる。代沢小学校、私立世田谷学園、駒澤大学文学部国文科を卒業。大学時代に大学歌人会を結成し、活躍。昭和40年頃より、同性愛の問題に取り組み、昭和46年7月、日本発の同性愛専門誌『薔薇族』を創刊。同性愛者への差別や、偏見をなくす運動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海
4
薔薇族を読んだことが無いので、意味がわからないことが少しあった。面白かったのは、三島由紀夫の性器が大きかったか小さかったのかなんて一般の人にはメチャメチャどうでもいいことを複数の人の証言をもとに一生懸命論じているところ。うっすら感動したのは、読者からの寄稿で、妻にカミングアウトしたあとの夫婦の生き方。2011/11/23
シビップ
2
コンビニのエロ本コーナーに『さぶ』『薔薇族』が陳列されていたのが懐かしい。憶えているのは角刈りのマッチョな兄貴が表紙と言う点だけ。少なからず小馬鹿にしていた記憶もある。時が経ち、その文化を知りたいと思うようになり本書に手を伸ばした。 グラビアメインのエロ本とは違い、世間から隠れるように生きるゲイ達の葛藤がお便りコーナーに綴られていて息が詰まる思いにかられる。それは仲間を求める声だったり、自己否定による希死念慮だったりする。近年はゲイなどの性癖に寛容になりつつあるが、これはそれまでの闘いの歴史である。2025/01/24
seichan
1
昔のゲイの「結婚しなければならない」苦悩がよく伝わってくる。タブーの意識が強かったせいもあるのか、読者からの手紙がどれも長文で読みごたえがある。世の中いろいろな生き方があるもんだ。2014/05/16
田中
0
著者はブログで「僕はノンケだから~」と語られていたが、本書ではゲイと言っていたように思う。一体どちらなのか。 内容に関しては、ゲイの夫を持った妻の投書に強く胸を打たれた。そこから始まる議論も大変興味深く、家庭を築くことの意義について大いに考えさせられる一冊だった。
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