内容説明
“ある”“あるもの”の意味を問う『形而上学』に立ち帰り、西洋形而上学の源流の姿を浮き彫りにする。それは同時に、“あるというかぎりでのあるもの”(存在の根源)への問いを介して、哲学の根本問題―すなわち究極の真理・根拠―への道筋を明らかにすることでもある。これを著者は「基礎づけ Grundlegung」と呼ぶが、これすなわち哲学の究極の根拠の探究にほかならない。本書は、その「導き」と位置づけられている。
目次
序論
第1部 知、学そして哲学的理論
第2部 ウーシアーの学
第3部 存在論(実体論)と神学
著者等紹介
木下喬[キノシタタカシ]
1947年仙台市生まれ。1970年東北大学文学部卒業、1975年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1975年東北大学文学部哲学講座助手、1978年4月富山大学人文学部講師、1979年10月同助教授、1993年10月富山大学人文学部教授、2011年3月富山大学退職。2018年6月23日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
9
カールでもガブリエルでもない研究者ウェルナー・マルクスによる導入Einführungと書かれてるけど、アリストテレスを読んだことない人間が理解できるとは到底思えない業界あるあるモノ。本書が強調するのは、存在論という単語が原典にはなく個々の病気や医療道具が「ある」とかソクラテスは禿げで「ある」、太っているもので「ある」など万物に共通する「ある」の学として述べられてる点。アリストテレスの存在論は神学なのか論争を細かに記述するこだわりが外部から見て瑣末な内輪話だけど、ハイデガーに入れ込んだ著者的には重要らしい。2021/05/16