目次
プロローグ 昭和初期~1945年―消費社会の成立とモダンガール、「贅沢は敵だ」と洋服は敵視される総動員体へ
第1章 1945~1950年代―花開く洋裁文化と若者の台頭
第2章 1960年代―消費拡大!モーレツ社員たちによる高度経済成長は止まらない
第3章 1970年代―カジュアルウエアのひろがりと価値観の多様化、個性豊かな日本人デザイナーの躍進
第4章 1980年代―DCブランドの隆盛とバブルの時代
第5章 1990年代―都市から発信されるスタイル、ストリートファッションの時代へ
第6章 2000年代―インターネットで繋がる社会と「Kawaii」ファッションの台頭
第7章 2010年代―「いいね!」から生まれる多様な価値感「もの」より「こと」を重視する社会へ
第8章 未来へ―未来へ向けられたファッション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
271
1920-1945年を前史として、戦後のアメリカ文化と圧倒的なまでの物量の時代が爆発的にはじまる。この頃の広告を見ると、中原淳一と「ソレイユ」や資生堂などが先端を切っていたことがわかる。田中千代らの先駆的なデザイナーの時代を経て、高度経済成長を駆け抜け、やがてイッセイやケンゾーらが世界にモードを発信するようにまでなる。自分自身を振り返れば、黒を基調としつつもヴィヴィッドなデザインのカンサイのセーターやコムデギャルソンのスーツを着ていたなと懐かしくなる。それ以降の時代はもうアルマーニから、やがてゼニアの⇒2024/02/13
アキ
97
2021年コロナ禍の中で開催された国立新美術館での展覧会の公式図録。ファッションから社会が見えてくる。戦後の洋裁文化の普及から60年代のミニスカート、ヒッピー、70年代日本人デザイナーの海外での躍進、80年代DCブランド、竹の子族、90年代渋カジ、アムラー、ガングロ、コギャル、2000年代ファストファッション、2010年代サステナブルやオーガニックから消費における循環が意識され、2020年コロナ禍によりエフォートレスなスタイルが浸透しつつある。いつだって流行は、社会と切り離せない。2022/03/31
たまきら
31
デザイナーズブランドから、ストリートファッションまで。駆け足ですが日本のファッション近代史をギュッと濃縮した一冊です。時系列で紹介しているため、同じデザイナーが変遷していくのを「そうそう、そうだった」などと思い出す楽しさがありました。ハイ・ファッションとストリートファッションをどう対比させて展示したんだろう?訪れた人たちのファッションは?色は?照明は?色々妄想が広がる展示図録です。2021/06/17
紫羊
18
ファッションは時代を映す鏡ですね。現在の感覚では珍奇としかいいようのないものもありますが、それとて懐かしい。時代が新しくなるにつれ馴染みがなくなってくるのは、もはやファッションとは無縁の年代になったということでしょう。とにかく楽しめる本でした。2021/11/04
くさてる
18
戦後(それ以前の洋装の誕生から)の日本のファッション史。展覧会の公式図録だそうだけど、実際に行ってみたかったなあ。懐かしいものもあれば全く知らないものもあり、共通するのはそれが「ファッション」であることだけ。でもそれがまるで人間一人一人の可能性と個性の具現化であるような気がしてきた。マメクロゴウチがすごく素敵だ……2021/09/08
-
- 和書
- 幻の戦士たち 新紀元文庫