内容説明
陶磁器や家具、染織や写真、彫刻、絵画など、5000年余りにおよぶ世界中のコレクションが集う、英国のヴィクトリア&アルバート(V&A)博物館。モリスとV&Aの繋がりは、1867年に、モリス商会が当博物館のダイニング・ルームを手掛けたことに遡り、娘のメイ・モリスの死後、多くのモリス作品が寄贈された。壁紙や布、タイルやカーペットなど多岐にわたる作品が、モリスのデザイナー人生の幅広さを語る。
目次
Preface まえがき
Introduction モリスのデザインの外観
Plates 花のパターン集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
104
19世紀のデザイナーウィリアム・モリスの植物をモチーフにしたパターンの作品集。アーツ・アンド・クラフツ運動の興隆に貢献した彼は工芸職人でもありこの本は主にフラワーをモデルにしたパターン集。どれも素晴らしい柄と色使いで魅了された。なんとか模写をしたいと思いスケッチブックに描いてみたが上手く行かない。いや上手くいくはずがない。ウィリアム・モリスについてはまだまだ知らぬことばかりだ・彼に関した書物をもっと読んでみたくなった。図書館本2022/01/22
コットン
69
フラワー・パターンのオンパレードで画像一枚一枚にデータや説明があるのが良い。壁紙や内装ファブリックに留まらずステンドグラス、刺繍、絨毯、ケルムスコット版チョーサーの活字の装飾文字なども…。2024/10/10
とよぽん
53
図書館で、素敵な表紙と背表紙に惹かれて。ウィリアム・モリスは英国のデザイン史に大きな影響を与えたデザイナーというだけでなく、工芸職人、詩人、作家、社会運動家でもあったと知る。壁紙、内装用ファブリック、タペストリー、タイル、どれもが色にこだわり、自然の素材による染め技術を復活させたと。ゴージャスで緻密なパターン、マンダラのようなものもあり、楽しめた。2021/07/23
あるぱか
2
色々なところで見かけるウィリアムモリスのデザイン。結構好みのものが多く、もっと観ていみたいと思い手に取りました。日本では服地や文具など小物が多い印象ですが、もともとは壁紙だったのかと衝撃を受けました。イギリスの大きなお家だと映えそうだなぁと思いますが、日本の家には大きすぎる気がします。2023/04/02
イコ
2
ウィリアム・モリス展の時に購入、目録みたいな本があるかと思ったのだが無かったので、展示されたものの全ての復習とはいかなかった。学生だった頃聞き覚えがある名だったので楽しめた。わずかに言及されてもいるが(私は)イスラム圏のデザインに強く影響を受けていると思われる。デザインの性質的にそうだからだ。だがひと目見て西洋だなと思うのが不思議だ。それが芸術家というものなのだろうが。デザインのタイトルが川の名であったりと、美術館の中では混乱したが本を読んで知識を補強したのでかなり楽しめた。2020/05/27