内容説明
旧家の座敷、料亭の床の間、道具商のウィンドウ、美術館のエントランスなど、街には様々な場があります。それぞれの場に出向いて花を活けるというしごとの最初は、場の空気を見ることなのかもしれません。空気に即した花材を採り、器を選び、すでにそこに在るものとの調和を考えたしつらえをすることが花の職人に求められるしごとです。
目次
序文 花 相応たること(杉本歌子(杉本家九代目三女))
図版 (春のしごと;夏のしごと;秋のしごと;冬のしごと)
寄稿 (貴道裕子(てっさい堂)
村上智恵子(村上重本店女将) ほか)
飾花の会
一材の花(藤田修作(花政代表))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mipyu
1
江戸末期創業の花屋「花政」が、京都の料亭や美術館などに出向いて花を活けるその仕事について、豊富な写真と簡潔な文章で紹介している。花の写真が好きで2018年の発行すぐに入手して以来時々手にとって眺めていたのだが、今回初めて文章を最後まで読んでみた。写真の花の名前ひとつひとつまで文字を読んでみて、ますますこの本が大切に思えた。花を生けこむその瞬間は勿論、その時を支える陰の時間と労力、お花そのものと注文した人や花を鑑賞する誰かに対する心配りの深さは大変なもの。そのような生き方に憧れる。2023/01/13
お抹茶
0
花政による作品と花政への依頼主の寄稿を載せる。普段とハレをきっぱり分ける京商家の慣らいにあわせた節度のある花を届ける。村上重本店の夏の暑い日の青竹,マールブランシュ本店の鉄線裏白瓔珞躑躅,Bijuuの洋風のリースがいい。挿花家の栗﨑曻氏の生け花は花を活ける人間の心のうちを表す「おちつく花」で京都人を楽しませる。2024/05/10
Mano Yoshida
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寿司乙羽、杉本家、村上重、てっさい堂、和久傳、よねむら、十牛庵、ごだん宮ざわ、木乃婦ほか、たくさんのお店の飾り花が紹介されている。花・花器・室内の木など、すべてが雰囲気のあるものばかり。2021/09/22
kiki
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美しい。ため息。2019/03/01