内容説明
今日の奄美は誰がつくったか?江戸期の島津氏の黒糖搾取時代から、明治期になっても、鹿児島の官庁、商人の利権確保の動きは続いた。奄美人は、勝手世運動、三法方運動、川畑汽船支援運動と、敢然と立ち上がった。復帰運動は四度目の闘いであった。奄美の未来を生きる者が、自らの出自を知るに欠かせない先人の足跡を追う。膨大な史料と豊富な聞き書きで構成する。
目次
「奄美」とは何か―まだ見ぬ「想像の共同体」
「勝手世」運動―守旧派の策謀「黒糖専売」打破
「三法方」運動―大島郡挙げての民衆運動となる
「川畑汽船」支援運動―島びとのための船会社を
奄美の「自給自立」を模索―浅松宮啓と啓良親子
大島経済を揺るがす「教育熱」―教育目的の変節
さまよう大島郡出身者の思い―差別と「奄美」の発見
「シマ」の暮らし―貧しくも心豊かであった日々
奄美の本土分離―「非日本人」となった人々の八年
「オーシマ」―在沖縄奄美出身者への偏見と蔑視
「シマ」への思いは横綱「朝潮」と佐々木道雄
七八年にわたる奄美民衆運動史―何を学ぶべきか
著者等紹介
榊原洋史[サカキバラヒロシ]
奄美歴史文化研究家。昭和30年1月生まれ。國學院大學文学部文学科卒業、同大学院文学研究科博士課程前期中退。現職は、研修講師(主に企業・団体の社員・職員教育を行う)。心理学・経営学を学び、大手の社員教育会社を経て独立開業。昭和55年3月、大学院在学中に徳之島へ移住。地元新聞社記者をしながら、奄美の歴史や民俗を調査研究。同59年2月、沖縄へ移住し、2年滞在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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