出版社内容情報
福島 茂[フクシマ シゲル]
著・文・その他
目次
第1章 父さんと暮らしたい(施設に暮らす;ひとりぼっちになった日)
第2章 もがいて、もがいて(こんなところにいられない;もがきの果てに)
第3章 どん底に見えた光(施設生活の終わり;からっぽの自分)
第4章 夢に向かって生きる(夢のために;父との再会)
著者等紹介
福島茂[フクシマシゲル]
三菱自動車工業株式会社名古屋製作所社員。1984(昭和59)年、長崎県長崎市生まれ。2004年、知人の支援を得て愛知県内で就職。2006年、三菱自動車工業株式会社名古屋製作所へ派遣社員として勤務開始。2007年、会社勤務の傍らで専門学校に通い、チャイルドマインダー資格を取得。同年、働きぶりが評価されて正社員となり、現在に至る。2013年から、会社勤務を続けながら通信制高校に通い、高校卒業資格を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
52
事情によって家庭で過ごすことができなくなった子ども達が生活する場である児童養護施設。そこでの過酷な生活を送った著者が、自らの人生を振り返る。施設によって大きな違いがあることがありありと窺え、ショックを受けた。そして、著者の前に向いて生きていこうとする力に感服。ただ、施設での過酷な生活を美談にはしない方が良いとは思った。子どものためと言いつつ、子ども達をコントロールするのは決して良いことではない。★★★☆☆2019/04/27
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
29
もがき続けながらも、どうにかこうにか自分の人生と困難に立ち向かっています。自分の恥を隠す事無く書かれており、ギャンブルほど人生を狂わすものは無いと自戒します。自分は児童養護施設に関しての理解は殆ど有りませんが、世の中として、そういう施設に入っている方への理解をもっと深める必要が有ると思いました。2016/03/18
ヒラP@ehon.gohon
20
第4章で明かされた著者の家族歴を読んで、複雑な気持ちになりました。 どうして著者は児童養護施設に入れられたのか、どうして父親との音信が途絶えたのか、地の繋がらない兄たちとの関係まで明らかにされました。 施設に捨てられたという憎しみ、施設の悪環境で、著者の人生は遊んだものであったようです。 その中での自己形成と再生については、肉声だから響いてきました。 著者の決意のもとに書かれた自分史だと思います。2024/04/15
MOCCO
9
内容や考え方について賛否ある本であろうが、ここまでの生い立ちを本名で公表されているのは、勇気ある一歩と感じる。子供の時期の養育環境は、本人には選べないし、本人が変えることも非常に難しい。そこを超えて大人になった時、どう生きられるか、周りがどれだけ支えられるか。大いなる課題がある。2017/01/24
オレンジstory
4
著者が施設入所から退所後について書かれた一冊。本来なら施設生活している子ども一人ひとりに応じた環境があり安心できる空間でなければならない。しかし集団という枠組みの中で生活するとなるとどうしても画一的にならざる得ない部分がある。だから施設なんかという気持ちが著者にもあったものの、施設を出て気付くことの方が大きかったのかもしれない。遠回りにはなったけども、周りの支えと他者からの評価は著者にとって自信であり今に至っているんだと思う。2018/07/17