内容説明
「交隣」から「征韓」へ転回の舞台裏。秀吉の朝鮮出兵から200年にわたり日朝の「善隣友好」を支えた通信使外交はなぜ失敗に終わったのか。本書では学問・文才による儀礼としての“文事”、および対馬藩の「藩屏」認識をめぐる諸言説に着目。近世後期の日朝関係を、東アジア世界における思想、学術、文化的な潮流のなかに位置づけなおすことで、その歴史的転回の再定義を試みる。
目次
第1部 近世後期の通信使と“文事”(一八世紀の日朝知識人における通信使改革論;宝暦度通信使と日本人との接触―「寛政異学の禁」を視野に;文化易地聘礼をめぐる江戸幕府の対応―林述斎の発言を手掛かりに;文化度通信使と日本使節との接触)
第2部 対馬藩における「藩屏」言説と日朝関係認識(一八世紀対馬藩知識人の「藩屏」論―“朝鮮の藩屏”論との交錯;満山雷夏の「藩屏」論と日朝関係再編構想;対馬藩の歴史書にみられる「藩屏」論)
“文事”をめぐる日朝関係史
著者等紹介
松本智也[マツモトトモヤ]
1988年、大阪府生まれ。立命館大学大学院文学研究科人文学専修博士課程後期課程修了(博士・文学)。現在立命館大学授業担当講師・衣笠総合研究機構客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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