内容説明
見えない声を聴く―歴史・宗教的にジェンダー格差が根深い韓国において、LGBTをはじめとするセクシュアル・マイノリティたちは如何にして自己のアイデンティティを確立し、社会的立場を獲得していったのか。1990年代以降の韓国の「セクシュアル・マイノリティ運動」の萌芽、変遷の検討から、マイノリティたちが団体や居場所を隠れ蓑として自ら“当事者”であることをあいまいにすることで自己を守りながらも、自分たちが抱える問題を可視化し、社会変革を起こしてきた様子を浮かび上がらせる。
目次
序章 エンパワメントの視点からみる韓国のセクシュアル・マイノリティ運動
第1章 韓国におけるセクシュアル・マイノリティの差別状況と運動―先行研究から
第2章 セクシュアル・マイノリティ個人の肯定化―「非認知ニーズ」の当事者性
第3章 セクシュアル・マイノリティ当事者の可視化と活動の変容―当事者性の獲得
第4章 「あいまいな当事者性」戦略―社会変革を目指して
第5章 セクシュアル・マイノリティ運動の新たな動き―「あいまいな当事者性」戦略の現状
終章 新たなコミュニティの創造によるエンパワメント
著者等紹介
柳〓希[ユウジョンヒ]
1984年韓国ソウル生まれ。2020年立教大学で博士の学位授与。2020年10月‐2021年3月立教大学コミュニティ福祉学部福祉実習教育室教育研究コーディネーター。2021年4月‐現在、武蔵野大学人間科学部社会福祉学科助教。2022年4月‐現在、西東京市市民協働推進センター運営委員会委員。社会福祉士、精神保健福祉士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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