内容説明
レオパルディの思想は、いかにペシミスティックであっても、単純な諦念や安易な生の否定ではない。『カンティ』の詩がわれわれの心を揺さぶるのは、悲しくも美しい短調の音楽=推敲・彫琢を経た文体にのせて、生にたいする、そして「驚嘆すべきおそろしい謎」に包まれた世界の永遠性にたいする、肯定的なメッセージを伝えているからではないだろうか。
目次
第1部 詩と自然(詩的霊感―レオパルディの詩論と詩作の方法;レオパルディのロマン主義的自然観―スタール夫人との関係を中心に;レオパルディにおける2つの“自然”;詩論と自然観の平行性)
第2部 “無限”の詩学(無限;追憶;回帰と永遠;死;愛;結語 詩と生の意義)
著者等紹介
古田耕史[フルタヤスシ]
愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。イタリア政府奨学生としてパドヴァ大学に留学。専門はイタリア文学、比較文学。現在、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター准教授(任期付)。慶應義塾大学、東京大学、東京音楽大学非常勤講師。アマチュア・チェリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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