目次
序論 問題意識の概要と本書の主題
第1章 命題
第2章 命題にもとづく知覚論
第3章 二つの知覚論の関係性について―命題にもとづく知覚論と象徴的関連付け
第4章 二つの知覚論の統合的解釈にむけて
結論にかえて―残された課題と広がる射程
著者等紹介
佐藤陽祐[サトウヨウスケ]
1982年、秋田県生まれ。中央大学文学部哲学科卒業、中央大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。博士(哲学)。現在、中央大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
命題の役割: 論理的主語と述語的パターン持ち、現実の事実と可能性を結びつける 知覚形成に寄与・意識への統合の出発点 知覚プロセス: 現象と実在を区別→明確化 実在=感受された客体的内容 現象=その解釈 命題ー経験の統合を促し、意識発生に関与 知覚論の構造: 知覚ー現実の事実を抽象化→命題が経験可能なものとして提示 象徴的関連付けを通じて形成・感覚与件が知覚対象に投影 ホワイトヘッド知覚論ー命題が意識の形成と経験の生成に果たす役割を分析 現象と実在の区別を明確化・知覚の抽象化→意識理解 現代の知覚論への影響2025/02/10
arisa
1
タイトルの通り、とことんあたりまえの事ほど深みにどハマりする危うさがある。現象として現前する経験の背景には数多の「〜でない」、採用されなかった否定形の命題が存在しているということが単なる言葉遊びじゃなくていま・この時空間に生きている事実の説明として肉薄してくる。無限の光の束が「いまこのわたし」の活動に集約されているとすると、たまたま・決定的な摂理を引き受けてしまった「わたし」の実存周辺が物凄い重力を帯びると同時に空っぽになる。ブラックホール。 後半は綱渡りみたいな読書。2022/03/11