内容説明
ヨーク家のマーガレットとは何者か?シェイクスピアの英国史劇とロマンス劇をヨーロッパ宮廷文化のなかで捉えなおす。宮廷間の権力関係や経済的むすびつきに着目して読み解く清新な論考。
目次
第1部 英国史劇を読み直す―国民国家産出のグローバルな過程(『ヘンリー5世』とブルゴーニュ公国の表象―英国史劇再考;『ヘンリー6世』3部作における「兵力と資金の不足」―シェイクスピアの歴史劇と英仏百年戦争;ヨーク家の国王エドワード4世の結婚―交換される女が表象する薔薇戦争とヨーロッパ初期近代の地政学)
第2部 「世紀の結婚」―ブルゴーニュ公国と英国初期近代の政治文化(ヨーク家のマーガレットと「世紀の結婚」―ヨーロッパ宮廷文化の空間;英国史劇『リチャード3世』の王国とロンドンのシティ―否認されるヨーロッパ宮廷文化と騎士道;英国史劇の変容と30年戦争―移動するユートピア空間としての宮廷)
著者等紹介
大谷伴子[オオタニトモコ]
東京学芸大学教育学部講師。専攻は初期近代イギリス演劇、現代イギリス文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
100
タイトル、テーマに興味を持ったが、ジェンダーで語られるとどうも読む気が失せる。シェイクスピアについて大した知識もないのに僭越だが、切り口としてジェンダー、セクシュアリティを持ってくるのは、今の時代には安易ではないか。歴史をテーマにして書く最近の女性作家の名前もあげられているが、なぜ女性で区切るのだろう。英仏間での結婚において女性が嫁ぐことを女性の交換という言葉を用いたり…、なんというか、ジェンダー視点でシェイクスピアを語ろうとしても、そのためにジェンダーにとらわれ、逆の現象を引き起こしているような。。。2022/03/15