内容説明
二十二歳のその日まで双子であることを知らずに育ったフローラとローズ。出会うはずのない二人が偶然、ロンドンのイタリア料理店で出会う。そしてフローラは知らず知らずのうちにローズの人生に巻き込まれて…イギリスのベストセラー作家が描く、繊細でいて、力強さを秘めた物語。
著者等紹介
ピルチャー,ロザムンド[ピルチャー,ロザムンド] [Pilcher,Rosamunde]
1924年、イギリスに生まれる。18歳より『グッドハウスキーピング』『レディーズ・ホーム・ジャーナル』等を中心に数多くの短篇を発表。短篇、中編、長編を多数発表。2002年にOBE勲章受章
中村妙子[ナカムラタエコ]
1923年、東京に生まれる。東京大学西洋史学科卒業。翻訳家。児童書から推理小説まで幅広いジャンルの本を多数翻訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よし
3
ストーリーが面白かった。小説らしい小説。「双子であることを知らずに育ったフローラとローズがばったり遭遇。そして・・」どうなっていくか・・物語の先を先を知りたくて、頁はどんどん進む。もどかしいほど。タピーがいい。こんな愛に満ちたしっかり者が七十年以上も守ってきた屋敷の女主人。ローズになり切れないフローラの悩み。医者のヒューがまた、魅力的。なぜか、「風と共に去りぬ」のバトラー船長の髭を彷彿とさせる。厳しさ・無愛想を装った芯に込められた優しさがいい。最後の最後まで、気になっていたが。見事・・Happy.End!2018/03/09
プチライス
3
複雑に入り組んでこじれていく物語にハラハラさせられるも、「人生って、ものすごく複雑だけど、ときによっては残されているのはただ一つ、単純しごくの道でしかないのよ」とタピーに言わしめる。ピルチャーさんにしては少々下世話で場当たり的な展開ながらも、最後は最高の結末。気持ちよく読了。2017/03/31
su-zu
1
スリリングな設定、スピーディーな筋運び。なのにゆったりと穏やかな空気感。気持ちのいい本でした。面白かった。2014/03/01
くりこ
0
良かった記憶があり、再読。 やはり良かった。ロザムンドさんの作品はどれも読んでいる時も読み終えた後も気持ちが穏やかになる。 登場人物は普通の人たち、場所もイギリスの片田舎。奇想天外な出来事があるわけでなく、でも読者を惹きつけて離さない。 この魅力は何だろう。もちろん翻訳者の上手さもあるのだけど。また何年か経っても読んでみたい。2025/02/18