出版社内容情報
財政改革や地域再生に取り組んだ江戸時代の経世家の今日的な意義を再評価するとともに、中国地域の5人の経世家たち(山田方谷・熊沢蕃山・村田清風・頼杏坪・朝日丹波)の事蹟を追いながら、現在の地域再生の道を提示する。
江戸時代の経世家に学ぶ 童門冬二
第一節 見直すべき「経世済民」の理念
第二節
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々木大悟
1
起死回生の中国地方。2008年刊の本書は、江戸時代に名を轟かせた中国地方の経世家5人にスポットをあて、経済再生のヒントを探る。貨幣経済の浸透で露わとなった幕藩体制の抱える矛盾や歪み。それによる藩の財政難に彼らが示した処方箋は様々。献策が受け入れられて富んだ藩から、藩内の反対で一部地域の改善に止まったケースまで紹介されている。共通しているのは領民を慈しむ仁政と、庶民を含めた教育の充実、それを支える志だ。領民に活力と知恵をもたらすことができた地域こそが再生に成功している。それは現在のワタシ達にも道標となるか。2023/12/31