吉備考古ライブラリィ<br> たたら製鉄

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吉備考古ライブラリィ
たたら製鉄

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  • サイズ A5判/ページ数 164p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784860690519
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0021

出版社内容情報

吉備地域の製鉄遺跡を網羅した、吉備地域における製鉄技術史研究の到達点。鉄生産を担った先人たちは、より良質な鉄をより多く作るために技術の改良を繰り返してきた。製鉄遺跡を手がかりに、たたら製鉄の歴史に迫る!


第一章 たたらとは
  一 たたらとは 10
  二 たたら吹製鉄法 13
  三 踏鞴 15
  四 製鉄炉 16
  五 床釣り施設 17
  六 製鉄遺跡としてのたたら 20
第二章 製鉄起源の追究
 第一節 各地域での初例発見まで(一九五〇年代~一九七〇年代前半)
  一 岡山市横井の「カンナ流し跡」 23
  二 初めての製鉄遺跡の発掘 福本たたら遺跡 24
  三 試行錯誤のトレンチ調査 石生天皇遺跡 26
  四 たたら研究会の発足 29
  五 備後では筒形炉を発見 常定峯双製鉄遺跡 30
  六 中国山地の麓を掘る 高本遺跡ほか 31
  七 「ヤツメウナギ」は炭窯か否か 34
 第二節 活況を呈する美作・備後での調査(一九七〇年代後半~一九八〇年代前半)
  一 山芋掘り転じて発掘へ キナザコ製鉄遺跡 38
  二 鉄穴流し跡を掘る 糘山遺跡群 41
  三 ついに前方後円墳時代の製鉄遺跡を発見 大蔵池南製鉄遺跡 46
  四 広島大学、中国地方の製鉄遺跡の体系的研究を開始 50
  五 「ヤツメウナギ」を壊して造られた製鉄炉 緑山遺跡 52
 第三節 備中南部は一大製鉄地域(一九29
   (四) D区の製鉄炉 131
   (五) 近世たたら床釣り施設の成立過程に迫る 133
  六 最近の調査から 138
第四章 吉備におけるたたら研究の現状と課題
  一 弥生時代に製鉄は行われたのか 140
  二 鉄生産に関する新技術の導入 143
  三 鉄鉱石と砂鉄 144
  四 箱形炉と筒形炉 146
  五 中世の製鉄 148
  六 たたら吹製鉄法の成立 149
  七 たたらの終焉 152
吉備地域製鉄関連遺跡分布図 160

 中国山地に分け入り、人里を離れた谷間を歩いていると、足下に黒く鈍く光るものを見つけることがある。自然の石とは思えず、アスファルトのかけらのようにも見えるがもっと硬く、表面にぷつぷつと穴が空いていたりする。ところによって呼び名は違うが、「カナクロ」とか「カナクソ」と呼ばれるこの奇妙な物こそ、昔の人が鉄を採った後に残された滓、すなわち鉄滓である。
 足下の鉄滓が、ごろごろとたくさんあったなら、少し観察してみよう。濃いこげ茶色をして、割れ口にところどころ穴が空いていて、溶岩が流れたような皺が見える。手に取ると、ずっしり重い。これは、炉から流し出された、鉄分の少ない鉄滓である。表面に橙色の粉を吹いたように錆が浮き、木炭のかけらがこびり付いたような跡が見えれば、最後に炉の中に残ったものだ。そして、割れ口が黒いガラスのように光って、その中に白い粒々が見え、片側に焼けた粘土が残っていたら、それはまさしく、鉄を採った炉の壁の一部である。
 さて、足下の鉄滓から、これだけの状況証拠が揃ったら、直ぐ近くに「たたら」の跡があることは、もう間違いない。ここが、製鉄遺跡である。しかし、その「たたら」の跡を掘り出すのはとても難しい

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

rbyawa

0
g049、正直なところ「備前」で製鉄関係の本を探してみたことがあるのですがほとんど見付からず、あ、なるほど吉備(備前備中備後に分割)で調べれば良かったのか、とようやく気付いたのですが。どうも技術的には鉄鉱石も砂鉄も両方存在しているところまでは間違いなくて、その前後関係みたいなものはわからないのかなぁ、そして、ヤツメウナギと称されていた製鉄遺跡見てると「ヤマタノオロチ」を思い出すなぁ、尻尾切ったら剣も出てくるよなそりゃw 出雲の製鉄技術との関係が示唆されている本も他で見たのですが、研究は進んでいるのかなぁ?2016/05/24

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