目次
「見える」ということから中動態へ
1 中動というカテゴリー(アナモルフォーズと胡蝶の夢―存在の地平と中動態;自己の身体と中動態;言語の範疇から思考の範疇としての中動態へ)
2 差異化=媒介(表情知覚の中動相;技術(行為の形)の中動相
差異化=媒介と中動態)
3 生成の場面―中動態の発動と結果(かたちの成立―身体・技術・素材;拘束からの生成―いかにして「作者」になるのか?;作者であることの事後性をめぐって ほか)
中動態とオートポイエーシス
著者等紹介
森田亜紀[モリタアキ]
1954年京都市に生まれる。1977年北海道大学農学部農学科卒業。1980年神戸大学文学部哲学科芸術学専攻卒業。1988年神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。学術博士。1995年倉敷芸術科学大学芸術学部専任講師。現在、同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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木麻黄
3
哲学はもとより,矯正や臨床の世界でも,重要概念となっている中動態ですが,更に分野の異なる芸術の世界ではどのように扱われているのか,興味深く拝読しました。まず,能動と受動で切り分ける世界では,経済と法律の機能がうまく働く半面,フィクショナルな現象が強化されるため,必然的に不適応者を生み出す副作用が伴う気がします。中動態で切り分ける世界は,出来事あるいは自然の勢いによって,行為が生み出されるので,責任の概念にはなじみにくく,その責めも栄誉も自己超越的に理解されるのでしょう。己心を見つめる意義を再認識しました。2024/09/12
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