内容説明
三玲の庭。三玲の言葉。時代を超えて新しい、昭和の名作庭家の軌跡。
目次
第1章 永遠のモダン―重森三玲の意匠(州浜;築山 ほか)
第2章 建築と庭園の融合―三玲好みの空間造形(小河邸―廓然庵・不識庵・古今亭;桑田邸―宗玄庵 ほか)
第3章 自然を抽象化した庭園(友琳の庭;東福寺龍吟庵 ほか)
第4章 神の宿る石(磐座・磐境作庭記;庭に見る超自然 ほか)
第5章 起立する石組(東福寺八相庭―南庭・井田庭・市松庭・北斗七星庭;東福寺光明院―波心庭 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
13
イサム・ノグチとの対談つき。重森三玲がカンディンスキーの影響を受けているという話にはひどく納得。「州浜」のデザインなど、俯瞰するとカンディンスキーの幾何学絵そっくり。一時期は空き時間に予約し自転車で重森三玲庭園美術館によく行ったもの。重森が晩年を過ごした私邸。本書にも載っているが「好刻庵」の波のデザインが大胆でとても好き。欄間の藤の透刻との取り合わせがまた良い。管理している孫の三明氏によると、祖父はとても怖がりだったそう。庭にあるグロテスクな岩に、ひょっとすると何かを見ていたのかもしれない。2022/11/02
子牛
8
非公開であるはずの個人邸の庭が載っていたのが良かった。さすがに自宅内に枯山水を作る余裕がないので、お気に入りの枯山水の写真を引き伸ばして飾った。2021/01/19
イリエ
6
ああ~東福寺、行ってみたい! 松尾大社の上古の庭は何だか怖いものみたさって感じですね。庭はアートだ、というより、庭は宇宙だと悟れる本でした。書院や床は、生活のなかの美術館だよというのがイイっすね。2017/03/06
みみりん
5
一昨年東福寺に紅葉を見に訪れたが石庭の美しさに引き込まれました。昨年重森三玲庭園美術館を訪れる予定が感染拡大で止めた。1970年のイサム・ノグチとの対談が掲載されているが、高松のイサム・ノグチ庭園美術館も行ってみたい。2021/01/10
Noelle
5
孫である三明氏監修の「重森三玲の庭園」とはまたアプローチの違う息子執氐氏監修の本書。三玲の庭の 古典を踏まえつつモダンの素を意匠ごとに並べることでその特徴がよくわかる。個人邸の庭園など他書ではあまり見られない、数寄を尽くした茶室も含めた庭園の造形はすごい、ほうっと唸るばかりである。東福寺に始まり松尾大社に終わるその作庭した庭にわ。見にいける範囲でやはりこの目で見てみたい。いつもなんだかすごいぞというエネルギーを貰っているような気がするから。本書後半寺社の磐座のような庭の写真はモノクローム、ザ・迫力の一言。2016/04/10
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