感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サトル
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本のタイトル通り、川柳入門への最初の一歩として、読みごたえたっぷりの内容だった。そもそも川柳とはなんぞやという霞がかった命題が徐々に晴れてゆき、伝統川柳の三要素「可笑しみ」「穿ち」「軽み」が引用された佳作句とともに紐解かれてゆく。時代は進んで、写生句から心象句へ、現代川柳の風貌は変わりつつあるようだけれど、この本を読み終わって、麻生路郎が唱えた「川柳は人間陶冶の詩である」という思いを強くした。おかげで川柳という俗世間に近い森の中を歩きながら、好みの洒脱な樹を迷わず探し出せそうな気分になってきた。2017/10/12