新説 伊予の古代―伊予之二名洲考(愛比賣と風早国)・越智国の盛衰(永納山古代山城築城の背景)・聖徳太子の虚像(道後来湯説の真実)

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新説 伊予の古代―伊予之二名洲考(愛比賣と風早国)・越智国の盛衰(永納山古代山城築城の背景)・聖徳太子の虚像(道後来湯説の真実)

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  • サイズ A5判/ページ数 361p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784860371098
  • NDC分類 218.3
  • Cコード C0021

出版社内容情報

 古田史学の「多元史観」に基づき、これまでに上梓した伊予国内に関する論稿に新たな研究の一端を加え本書を著わす。

 第一編「伊予之二名洲考―愛比賣と風早国―」
 伊予国草創の歴史に関わる『伊予之二名洲考』に、新たな史料を加えることによって、「二名洲が風早国」であることを決定づけたものである。それに加えるかたちで「えひめ」の語源と、新発見となった「伊予の官道」についても論及した。

 第二編 「越智国の盛衰―永納山古代山城築城の背景―」
 伊予の古代を語るには、伊予の大族「越智氏」及び「越智国」抜きにはありえず、研究の過程でこれが、大きく論証の前面に立ちはだかってきた。中世に越智氏の裔と自らを飾る河野氏が台頭するまでは、越智氏は伊予随一の覇者であった。越智氏を研究し、「越智王国の盛衰」を目の当たりにして、「永納山古代山城」が何故この地に存在していたのか、築城の背景を明らかにする。また、越智国内に『日本書紀』記載の斉明天皇にまつわる多くの不思議を発見し、その中に「熟田津石湯行宮」伝承の地も見い出した。

 第三編「聖徳太子の虚像―道後来湯説の真実―」においては、2004年の出版以降、さらに多くの新視点を加え前にも増して「虚偽の実像」に迫ったものである。なお、その中で「九州王朝」の実在性をより克明に、より解りやすく縷述し、これにより「日本古代史の実相」の一端を提示する。
 以上三編、いずれも、伊予をくまなく歩き、自分の目で確認することにより、これまでの通説を塗り替える新説を提示している。


第一編 国生み神話の伊予之二名洲考 ―愛比賣と風早国―
  第一章 伊予之二名洲の比定地 ― 通説と古田説
  第二章 愛媛県の地名に残る二名
  第三章 神話に託した「一・二・三」の地
  第四章 二ヵ所の〝ナ・那・難〟
  第五章 輝ける〝古代えひめ〟
  第六章 古代えひめ文明の一原点
  第七章 大山祇神社文書と風早国
  第八章 二名国・風早国の興亡
  第九章 風早に南海道を発見
        ―上難波・下難波の地名考察を通して―
  むすび

第二編 越智国の盛衰 ―永納山古代山城築城の背景―
  第一章 越智国の盛衰
  第二章 伊予国府の比定地 ―国分・古国分の地名が物語る―
  第三章 永納山古代山城築城の背景
  むすび

第三編 聖徳太子の虚像 ―道後来湯説の真実―
  第一章 聖徳太子道後来湯説の真実―聖徳太子とは一体何者なのか
  第二章 九州王朝の点描
  第三章 温湯碑が語る真実
  第四章 『隋書』<タイ>国伝がわが国の古代史を変える
  第五章 釈迦三尊像の微笑み―光背銘が示すもの
  第六章 聖徳太子は『日本書紀』に存在していなかった
  第七章 考古学上の出土物―評による証言
  第八章 九州王朝の残影
  終 章 「万葉八番歌」の熟田津はいずこに
  むすび

あとがきにかえて


 歴史を愛好する者の一人として、私は古代史ほどロマンを掻き立てるものはないと思っている。しかしその一方で、わが国の古代史は推理・想像が逞しく、種々の「学説」が入り乱れ、現今の学校で習う歴史と、巷に溢れる「学説」とのギャップから、何が真実なのかさっぱり解らない、不透明だ、難しい、好きになれない、との声をよく耳にする。そのためであろうか、歴史の講演会などは、年配者がほとんどで、男女を問わず若い人はあまり見かけない。日本人でありながら日本の国の揺籃期の姿が思い浮かばず、そこから日本の歴史そのものへの愛着がもてないとなると、これは誠に憂うべきことではないか。このままでは日本民族の誇りも、国を愛する気持ちも培われない。
 そのような思いから私は、わが国古代の真実の姿を明らかにすることが急務と考えていた。

(中略)
   
 そこで私は、古田氏の「多元史観」に基づき、浅学・非才の身を省みず、これまでに上梓した伊予国内に関する論稿に新たな研究の一端を加え本書を著わすことにした。
 すなわち、伊予国草創の歴史に関わる『伊予之二名洲考』に、新たな史料を加えることによって、「二名洲が風早国」であることを決定づけたものである。それに加えるかたちで「えひめ」の語源と、新発見となった「伊予の官道」についても論及した。
 次に、伊予の古代を語るには、伊予の大族「越智氏」及び「越智国」抜きにはありえず、研究の過程でこれが、大きく論証の前面に立ちはだかってきたのである。中世に越智氏の裔と自らを飾る河野氏が台頭するまでは、越智氏は伊予随一の覇者であった。この探究は私に大きな収穫をもたらした。「越智王国の盛衰」を目の当たりにして、「永納山古代山城」が何故この地に存在していたのか、築城の背景を明らかにすることができたからである。また、越智国内に『日本書紀』記載の斉明天皇にまつわる多くの不思議を発見し、その中に「熟田津石湯行宮」伝承の地も見い出した。これにより越智国考察も急展開をみたのである。
 最後の『聖徳太子の虚像』は、二〇〇四年の出版以降、多くの新視点を加え前にも増して「虚偽の実像」に迫ったものである。なお、その中で「九州王朝」の実在性をより克明に、より解りやすく縷述し、これにより「日本古代史の実相」の一端を私なりに提示したと思っている。
 本書が更なる郷土史研究を繙く礎になれば幸いである。
                         (「あとがきにかえて」より)

内容説明

伊予の古代を明らかにすることにより日本の古代史の実像に迫る。市井の歴史家が伊予をくまなく歩き通説を塗り替えた渾身の労作。

目次

国生み神話の伊予之二名洲考―愛比賣と風早国
越智国の盛衰―永納山古代山城築城の背景
聖徳太子の虚像―道後来湯説の真実

著者等紹介

合田洋一[ゴウダヨウイチ]
昭和16年8月29日、北海道檜山郡江差町生まれ。昭和40年明治大学文学部史学地理学科(日本史学専攻)卒業。現在、有限会社栄健代表取締役。古田史学の会全国世話人、古田史学の会・四国事務局長、伊予史談会会員、風早歴史文化研究会会員、松前史談会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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