出版社内容情報
人々の運命を「数」が司る不思議な国で繰り広げられる、新たなるファンタジーの傑作! ファンタジーのなかに、数学的テーマが織り込まれており、ファンタジーとしても数学の本としても魅力的な物語です。
内容説明
人間一人ひとりに「運命の数」が与えられている世界。メルセイン王国の王妃は、呪いで敵を殺しているという噂があった。王妃の娘で13歳のナジャはある日、数年前に死んだ最愛の姉ビアンカが、実は王妃によって殺されたという話を耳にする。その後、ナジャはあるきっかけで、禁じられた計算を行う妖精たちと出会い、王妃の秘密を知ることになる―「数」が運命を司る、不思議な国の物語。数論とアルゴリズムをテーマにした傑作ファンタジー!
著者等紹介
川添愛[カワゾエアイ]
作家。九州大学文学部文学科卒業(言語学専攻)。2005年同大学大学院にて博士号(文学)取得。専門は言語学、自然言語処理。国立情報学研究所研究員、津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授などを経て、2012年から2016年まで国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
160
キャラクタがすべて一つの整数<運命数>を持つ世界。運命数の性質が個性を与える。相手の運命数を素因数分解すると呪い殺すことが出来るとか、フィボナッチ数を使うと治療できるとかぶっ飛んだアイデア満載。巨大素数を運命数に持ち、誰にも呪い殺されない女王が悪の限りを尽くすのだが、本人が素数と信じていたその運命数は、実は秘密があって…。友愛数、巡廻数、過剰数、不足数、三角数、平方数。個性豊かな整数達のファンタジー。2022/06/27
☆よいこ
83
分類412。海外SFのような小説。横書き。人々は「運命数」を持ち生まれる。特別な運命数を持った人は特別な能力を持つ。メルセイン王国の王妃は美しくとても残酷だった。王女は残虐な王子を溺愛し、自分に似た美しい姫を憎む。王女の養女のナジャは王女に無視されていた。城では「計算」が禁止されていた。特別な仕事といわれナジャが行っていた割り算は呪いをかけるための手段で、姫は死んでしまう。数年後、ナジャは鏡に閉じ込められた妖精を救うため計算に挑む▽数字がきらめいて見える。巻末に計算式の解説有り。面白かった!祝福は呪詛2022/06/03
のえる
56
図書館本。川添愛著作初。数を中心として繰り広げられる童話冒険ファンタジー。凄絶な戦闘場面も有り。どこか白雪姫や不思議の国のアリスを彷彿させる少女の成長物語。 いや~、素数やら約数やら学生時代以来久々。普段使わない頭を使った気分。フィボナッチ数列懐かしい。おもしろかった! メインキャストに女性が多いのは、物語を通じて少数派になりがちなリケジョへの誘いを兼ねているのかな。数の考え方が登場人物の会話にも織り交ぜられ、ストーリーとして楽しみつつ数学や生き方を学べる要素を多分に含んでいると思う。こういうのもいいな。2021/06/28
あおでん@やさどく管理人
52
「数論」の超入門編ともいえるファンタジー作品。といっても、難しい理論や証明が出てくるわけではなく、「こんな数にはこんな面白い性質がある」というようなものが、登場キャラクターの「運命数」という形で紹介されている。別にネタバレにはならないので、巻末の解説は途中で見ながら読み進めると、数学での用語と物語中での使われ方が対応づけられるのでいいと思った。2020/02/02
りんご
47
約数、素数、合成数/素因数分解/過剰数、不足数、完全数/友愛数/フィナボッチ数列/カプレカ数/三角数/リュカ数列/コラッツの予想 等々、、、トキメキますね。嘘つきました。そんなにときめいてはいません。ストーリーは「悪い魔女を倒さねば世界がえらいことになるぞ」です。倒すのに数学を用いるあたりがEテレの番組のようです。最終的には大学生の数学やってる学部生の考えた演劇にも思えてきました。ノートにいっぱい数字を書きながら読んで満足です。2022/03/06
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