内容説明
季節の移ろいを、植物染によるあざやかな色あいで表現―。歳時記にこめられた意味と、歴史的考察を染織史家・吉岡幸雄がつづる。本書収蔵作品全24点を吉岡幸雄氏が制作。
目次
睦月―新年の彩り
如月―春を告げる色
彌生―桃と菜の花の節句
卯月―桜
皐月―端午の節句
水無月―水
文月―七夕
葉月―秋草
長月―重陽の節句
神無月―紅葉
霜月―色なき季
師走―絹配り
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
昭和21年、京都府生まれ。染織史家。早稲田大学卒業後、家業の「染司よしおか」5代目当主を継ぎ、伝統的な植物染による日本の色を国内外に向け紹介している。東大寺、薬師寺、石清水八幡宮などでの行事に用いられる造り花、衣裳、道具などを制作している。平成22年、第58回菊池寛賞受賞
小林庸浩[コバヤシツネヒロ]
昭和18年、東京都生まれ。写真家。大判のカメラで、工芸、茶の湯、料理、骨董の世界を中心に撮り続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
7
色と季節の関係は、なるほど密接なもの。季節に色を見出し、色に季節を重ねる。植物染を仕事とする著者ならではの、色への思いがたおやかなことばで語られる。2019/07/14
鈴
1
著者は染織史家。月々の行事とそれに因んだ作品。植物から汲み出された澄んだ色が美しい。様々紹介されているもののひとつに、光源氏が右大臣邸での藤の花の宴のとき、桜襲の直衣を着たという話があるんだけど、そういう場合もあるんだね。季節は先取りが基本だけど、例外もあるのか。2013/05/06
baアタマ
0
2011年。著者(吉岡幸雄さん)は京都の染色家。優雅な王朝文学を引きながら(中国古典にも精通)、冗長にならなず読みやすい。仕事が根っこにあるからかなあ。写真も多く、色がとにかく美しい。この8月は源氏物語「野分」の帖でも原文で読んでみたい。写真:小林庸浩さん2014/08/06