内容説明
日本を舞台に涅槃図の作成を依頼された絵師と猫の交流を猫く感動の物語。アメリカで最も権威のある児童文学賞「ニューベリー賞」大賞受賞作品。
著者等紹介
コーツワース,エリザベス[コーツワース,エリザベス][Coatsworth,Elizabeth]
詩人、児童文学者。1893年に生まれ、1986年に死去。幼いころから両親とともにアルプスやエジプトを旅する。ヴァッサー女子大学卒業後、コロンビア大学で博士号を獲得。その後ひとりで東洋の国々をまわる。1931年に『極楽にいった猫』でニューベリー賞の大賞を受賞。動物をテーマにした児童文学のほかにも、小説、エッセイなど多くの作品を残した。その業績に対して1968年にはハンス・クリスチャン・アンデルセン賞の最終候補者となる
古屋美登里[フルヤミドリ]
翻訳家、エッセイスト。1956年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業
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感想・レビュー
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ぶち
89
読友さん(けろりんさん)のレビューに魅かれて、手に取りました。お釈迦さまが入滅したときの絵(涅槃図)には多くの動物が描かれているのに、なぜか猫は描かれていません。大正時代に日本を訪れたアメリカ人作家のエリザベス・コーツワースが、猫と涅槃図をテーマにこの優しい物語を生み出しました。絵師のもとに来た猫の福が、絵師に乞う願いとは。そして絵師が"飢え死にしても構わない"と、福のために人生を投げうつ覚悟で捧げる犠牲とは。この慈悲に満ちた本を最後まで読んで、私は泣いていました。けろりんさん、ありがとう!2019/07/19
NAO
88
涅槃図に猫が描かれていないことを悲しんだ福が、なんとか絵師に猫も描かれた涅槃図を描いてほしいと願ったというアメリカ人が書いた、日本が舞台の、釈迦涅槃図の話。涅槃図を描くにあたって真摯に釈迦の生涯をたどった絵師が最後に取った行動は、慈悲にあふれており、その絵師の慈悲が奇跡を起こす。これは、きっと、作者が日本を訪れて涅槃図を見たときに、どうして猫がいないのだろうと疑問を感じたことがきっかけとなって作られた話なのだろう。 2019/07/31
おか
56
読メで知った本です。著者はアメリカの作家ですが、20代の頃 日本に訪れた事があるようで このほんも日本を舞台にしています。御釈迦様を描く絵師と飼い猫の慈愛に溢れる物語で 子供に限らず 大人にも 心にほっこりした何かを残してくれる本でした。とっても薄い本ですので もしよかったら みんなに読んでもらえればなぁ と思います^_^2019/08/10
ケロリーヌ@ベルばら同盟
54
むかしむかしの日本の国。日々の糧さえ事欠く貧しい絵師のもとに、小さな三毛猫がやって来ました。福、と名付けた愛らしく、情け深い仔猫は侘しい絵師の心を豊かに潤しました。福が招いたものか、お寺から釈迦涅槃図を描けという大きな仕事を託され、潔斎し心血を注いで励む絵師ですが、入寂されるお釈迦様を囲む数多の動物たちの中に、猫の姿だけを描けない事に苦悩します。猫は気位の高さがお釈迦様の御心に適ず、永遠に呪われた生き物であると言われていますが、果たして慈悲深いお釈迦様がこの優しい仔猫にその様な別け隔てをなさるでしょうか。2019/07/02
グリーンクローバー☘
20
釈迦涅槃図を描く絵師の猫、福との慈愛に満ちたお話。80年以上前にアメリカの作家コーツワースが受賞した作品だそう。日本人の私は涅槃図もろくに知らなかった…日本に住んでいる私、情けない…。読んでよかった♡2019/10/02
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