出版社内容情報
向井透史[ムカイトウシ]
著・文・その他
内容説明
「古本」には、必ず人の気持ちが宿っている。閉店後、シャッターを下ろした店内で仕事をしている。軽い孤独感に包まれて、本に値段をつけている。今年も、その繰り返しを地道にやっていくしかないのだ。帳場から見た本と人の物語。古本屋二代目店主の2010年8月から2021年12月の日々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toshi
22
二代目古本屋経営者の徒然日記。売れない本と、変な客ばかりの日々。古本屋さんの毎日ってこうなのね。引退したら古本屋やってみたいとか、古本屋利用する時は100円均一が多いとか、全部私のことです。本当にすみません!2023/05/05
M H
22
高田馬場の「古書現世」店主の向井さんによる日記。本が売れない諦念混じりの苦労話に人の優しさ、そしてなぜか出現する奇人たち。いや、マジで何で忍者が。日記は「WILL」などの連載らしいが、しばらくははてなブログにもあったような。そちらのほうが父親との不和(死去しても感情が無)、体調不良が生々しかった。比べると本書は淡々と、温かい読後感になるよう配慮されている感じ。一時期結構行っていたお店で、値付け安めの良いところなので末永く続いてほしい。2023/02/09
kuukazoo
16
古書現世@早稲田の店主による日記(2010~2021)。日々店を開け客を待ち買取に行き大量の本を縛り運び古本市を開き...という古本屋の営みの中に近隣のヤバすぎ住民が頻繁に登場し早稲田恐い...と震える。古本の蘊蓄はないが古本屋の仕事のキツさは満載で「ひどいよ!」「勘弁してくれよ!」等心の叫びが随所に響く。本は売れんし客が来たと思えば非常識を超えてぼーぜんとするしかない方だったり...でも面白かしく読んでしまったのはご本人のお人柄ゆえかと。深夜の独り感がしみる。古本屋における買取と百均の存在意義を知った。2022/11/30
DEE
11
早稲田にある古書店「古書現世」の店主の日誌。ただでさえ厳しい古本業界。そこに輪をかけて店を開いた父親の負債を背負う大変な経営。暇の辛さ、日銭の大切さ、そして売れない不安。そういうものが諦めと少しの希望を覗かせながら綴られている。売りたくても売れない小売の苦労と心労は、自分にも経験があるため胸を痛めつつ読み終えた。今度近くに行ったら覗いてみようかな。2023/01/30
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10
【「青」は挑戦者の色である。そして、「始まり」の色である。(P.154)】星野源への言及もあるこの本は、彼の歌う「今を踊る」というフレーズがよく似合う。しかし言うは易く、踊るは難し。ましてや珍客万来、クセ者の乱入が絶えぬ「古本屋」の舞台では…▼どんな人が来ても、どんな本が来ても、途方に暮れても、たとえ誰も見ていなくても、ひたすら舞台に立つこと。そこに余計な感情はわかず、ただ「それが日常なんだ」としか言えない。ただ、とんでもないエピソードが多過ぎて(著者さんのツッコミも鋭い)、途中でメモを諦めましたw2022/12/03
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