内容説明
クイーン『ギリシャ棺の謎』から江戸の『誹風柳多留』へ、中山晋平“晋バカ大将”からシェークスピアへ―。本の達人が自由に連想を羽ばたかせる極上の読書エッセイ!
目次
動作
猫は鳴く
美しいこと
これも誰ゆえ桜姫
“これも”と“それも”
芝居の花
ツルゲーネフの真理
散文詩の待ち伏せ
西と東
カキツバタ〔ほか〕
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら執筆を開始。89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の〓』で日本推理作家協会賞受賞。2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞。09年『鷺と雪』で直木賞受賞。16年日本ミステリー文学大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
北村さんのご自分が読んだ本について様々なつながりからのエッセイです。単なる本についての紹介ということではなくその本にかかわるちょっとしたことなどをつぶやいておられます。本の題名からするとゆったりと心に感じたことなどを自分の気持ちの赴くままに書かれているようで肩を張らないで読むことができました。2020/10/22
nico🐬波待ち中
104
北村薫さんによる読書エッセイ。改めて北村さんの知識の幅の広さに驚かされた。日本の文豪は元より、数学、徒然草、落語、俳句、ソクラテス、江戸川乱歩…北村さんの好奇心は一体どこまで続くのか。特に印象的なのはサイデンステッカー氏が落語を通じて日本語を身につけられた話。落語を理解することは日本語の習得のみならず、文化人類学、社会学、民俗学、時代考証なども並行して学べる、という。落語がなかったら『雪国』の名訳もなく、川端康成のノーベル賞受賞もなかったかもしれない、というから驚きだ。落語の奥深さを見直した。2020/09/20
ケロリーヌ@ベルばら同盟
58
【積読本消化】北村薫さんのイメージは、『中野のお父さん』。編集の仕事をする娘が持ち込む疑問に、間髪入れず書籍の知識で応える。その博覧強記とも言うべき書物愛!2006年から2017年にかけて連載されたエッセイを一冊に纏めた本書は、書物の一節から思惟の翼を拡げ、洋の東西、時空をも超え、書籍の宇宙を自在に翔け巡る。或いは、入籠の箱を次々開けるように新たな展望が拓ける。ああ、これは『円紫さんと私』シリーズの“私”に出会った時の高揚。こんな風に本を読み、本を愛おしみ、本を語りたい。そんな切なる想いが甦る読書だった。2020/12/14
ぶんぶん
23
【図書館】本当に興味の広い人だ、古本屋巡りもそうだが、一つの事を追いかけるとまっしぐら。本当に本の事が好きなんだろうな。一つの事から、又一つ謎が繋がって行く、こんな思考回路は文学者はみんな持っているんだろうか。 しかし、知識の豊富な人だ。どんどん湧き出している、たぶんこういう人は人生に飽きるって事は無いんだろうな。自分が持っている「現代作家自作朗読集」の事が書いてあることが嬉しい。意外と持っている人は少ないと思う、添付のソノシートは聴こえるかどうかは定かではありませんが(笑)いろいろと遊ばせてありがとう。2020/06/26
マッピー
17
一体どんな本を読めば、一日何時間くらい本を読めば、こんなに博学で、こんなに深い読解力を持つことができるのだろう。特に明治から昭和初期にかけての文豪の話などを読むと、文学全集読まなくちゃ熱がまた燃え上がります。(周期的に燃える)それにしても、世界文学全集に比べて日本文学全集の読みにくさよ。”明治の文章どころか、大正、昭和のそれまで読めないようでは、あまりに寂しい。”まことにおっしゃる通り。勉強します。2022/05/07