内容説明
福島第一原発事故で環境に放出された放射性物質の情報に関する新聞やテレビでの報道で、国内は混乱した。しかし、強制避難命令のあった20km圏内でさえ、直後の線量率は国際宇宙ステーション並、ひと月後に30分の1、1年後に100分の1と低線量率であることが判明している。本書は、国際放射線防護委員会ICRPが放射線の人体へのマイナス影響のみを取り上げ、プラス効果を無視してきた思想を、科学的証拠を持って打ち破り、新たな放射線医科学の枠組みを示す。
目次
第1章 低線量率放射線だった福島県民―科学的根拠のない福島20km圏の放置(福島県民が低線量率放射線だった事実;福島軽水炉事故災害が低線量だった理由 ほか)
第2章 福島の低線量放射線とどう向き合うか―日本が主導すべきLNTモデルの撤廃(LNTモデルの問題点;がんの主な原因は免疫システムの不全 ほか)
第3章 放射線の身体影響―DNAは放射線が大好き(放射線ホルミシス;科学的放射線安全について ほか)
第4章 放射線なしに生命は存在しない―福島20km圏内の低線量率にリスクなし(太陽の放射エネルギーと生命;太陽紫外線の曝露が大腸がんリスクを低下させる ほか)
著者等紹介
高田純[タカダジュン] [Doss,Mohan]
PhD。札幌医科大学教授、医学物理、放射線防護学。1954年東京生まれ。弘前大学理学部物理学科卒、広島大学大学院理学研究科博士課程後期物理学専攻中退。鐘淵化学工業、シカゴ大学ジェームス・フランク研究所、京都大学化学研究所、広島大学原爆放射線医科学研究所を経て、現職。未踏科学技術協会第一回高木賞受賞、真の近現代史観懸賞論文藤誠志賞受賞
ドス,モハン[ドス,モハン]
PhD。フォックス・チェイス・キャンサー・センター准教授。1951年インドKanpur生まれ。米国カーネギー・メロン大学にて理学博士号を授与。カナダのリジャイナ総合病院で原子力医薬品部門の医学物理士。2001年、米国フォックス・チェイス・キャンサー・センター診療映像化部門PET/CTセンターにて医学物理士として加わる
服部禎男[ハットリサダオ]
PhD。元電力中央研究所理事、放射線ホルミシス。1933年名古屋市生まれ。名古屋大学工学部電気工学科卒、東京工業大学大学院原子核工学修士課程修了。中部電力、オークリッジ国立研究所、動力炉・核燃量開発事業団を経て、電力中央研究所初代原子力部長、同理事。「放射線ホルミシス研究とその国際的推進」によりバンガード賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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