- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > ワニブックスPLUS新書
出版社内容情報
「エネルギーの独立」を「国家の独立」の絶対的な必要条件として、現在では原発58基と核兵器を有するに至った世界第2の「核大国」フランス。「原発は環境ではなく経済の問題だ」と原発政策を推進する一方で、「あらゆる警戒を怠らないにしても原発事故の可能性は決して排除できない」という徹底した現実主義の歴史と政策、国民感情などを、元産経新聞パリ支局長が伝えます。「脱原発」「原発推進」のどちらの立場であろうとも、私たち日本人が学ぶべき沢山の示唆に溢れ、ともすると理想論、感情論に傾きがちなフクシマ以後の日本の原発論議に冷水を浴びせる教訓の一冊です。
内容説明
福島第一原発事故をめぐる日本当局への海外からの批判は、日増しに強まっている。「事故ゼロ」というファンタスティック(幻想的、夢想的)な非現実主義の立場から、原発を推進し、あるいは容認して、ついには3・11フクシマの悲劇を招いた挙げ句の、事故後の不透明な情報開示、国内外への対応の遅滞―。世界第2の核大国フランスの徹底的な現実主義の厳しい視線に晒されて、今、私たちが本当に改めるべき理想論、妄論の体質を、パリ在住二十余年のジャーナリストが、フランスの原発関係要人への取材を基に問う。
目次
第1章 メディアはフクシマをどう報じたか―かたずをのんで見つめたフランス人
第2章 原発補強のために百億ユーロ―日本を凌駕するフランスの安全対策
第3章 フランスはなぜ原発大国になったのか―エネルギー自給は独立と自由の礎
第4章 フランスも事故がいっぱい―「想定外」などありえない前提で対処
第5章 原発存続か撤退かで揺れる欧州―政権選択を左右する争点に浮上
第6章 原発とエネルギーの未来―日本がフランスから学べること
著者等紹介
山口昌子[ヤマグチショウコ]
慶應義塾大学文学部仏文科卒。1969‐70年に仏政府留学生としてパリ国立ジャーナリスト養成所(CFJ)に留学。74年同校の「ジャーナリストのための欧州講座」に出席。産経新聞で教養部、夕刊フジ、外信部次長を経て90年5月から2011年9月まで産経新聞パリ支局長。94年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。01年仏国家功労賞のシュバリエ、10年に同オフィシエ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる坊
ゆきまさくん
bittersweet symphony
せんにん
やまべ