内容説明
親の屈折した愛情が、子どもに自らの体を傷つけさせた―「リストカットしてても、死にたくはないんですよ」若きルポライターによる、書き下ろしデビュー作。
目次
1 リストカットは自殺の手段ではない
2 なぜ彼女や彼はリストカットするのか(ルミ子さん(仮名・二四歳・会社員)
すみれさん(仮名・一八歳・大学生)
マミさん(仮名・二二歳・無職)
ユウコさん(仮名・一七歳・高校生) ほか)
3 臨床の現場から見たリストカット
4 そして、少女は死を選んだ
著者等紹介
ロブ@大月[ロブオオツキ]
1975年生まれ。専修大学在学中。ライター。99年『BURST』誌上でデビュー。以後、テレビ・新聞・雑誌の各媒体で活躍。本作が、初の著書となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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匠
126
リストカットへの世間の誤解はまだ多いだろう。死にたいほど苦しんでいる原因はあるが死ぬための行為ではなく、むしろ苦しみながらも生きている実感が欲しくてやってしまう。僕が10代の頃にしていた自傷行為はリストカットじゃなかったけれど、取材を受けている8人の証言に共通する「人格否定してくる親との不和」という最大の原因に共感しながら、彼らのそれぞれに抱える心の悲鳴が痛かった。でも完全に克服した今は精神科医の名越院長の言葉に深く共感する。何より大切なのは自己肯定感だけど、それは1人だけじゃままならないから厄介だよね。2014/02/20
青蓮
95
読友さんのオススメから。リストカットをしてしまう若者達のインタビューとその考察。私もかつてはリストカッターだったので(今はもう卒業しました)、彼らの気持ちにとても共感。「リストカットは死ぬためでなく、生きるためにする」と言うのは経験者でないとなかなか理解しがたいものかもしれない。リストカットをしてしまう人に共通することは「自己肯定感の低さ」と「両親との不和」があると指摘します。私もそうです。まだまだ両親との関係は手探りだし、自己肯定感もあんまりないけれど、自傷行為をやめられた事を自信に変えて前に進みたい。2016/07/12
ささやか@ケチャップマン
7
血が苦手な自分は読みながら途中ガクガクとなってしまうようなところもあったり。リストカットを責めるのは簡単だけど、それはなんの解決にもなってないよね。否定せずに受け入れられるようになりたい。きっと私も同じくらい弱さを抱えてるから。2011/12/02
gin
7
読んでる間は何も考えなくてすむから。気づけばこれは10年前の本。当時はリスカの認知度も低く、理解も得られにくかったんだろうなと想像しました。今だって理解が得やすいわけじゃないけれども。2010/06/14
もあ
6
リストカットをする人の多くは、その行為の誘因として、死への憧憬を否定する。それは、そこまでしてもこの社会に存在したいという無言の叫びなのだ…。「生きるために」手首を切る若者たちを追うルポルタージュ。 2019/03/28