内容説明
鉄道開業から150年目を迎えた2022年に、国土交通省の有識者検討会が『地域の将来と利用者の視点に立ったローカル鉄道の在り方に関する提言―地域戦略の中でどう活かし、どう刷新するか』という提言を公表しました。この提言は、第三セクター鉄道や地方私鉄だけではなく、JRローカル線を含む地方の中核的な都市の周辺、それらの都市を連絡する路線も含めた在来線の見直しを提起するものです。ローカル鉄道の見直しを提起する提言の理由は是認できるものなのでしょうか。私たちは提言の内容について批判的な視点からまとめました。
目次
第1部 ローカル鉄道問題はローカルだけの問題ではない(検討会設置の契機と背景;検討会と提言の枠組み・概要;論点;あるべき方向)
第2部 提言に対するQ&A(ローカル線を取り巻く現状に関するQ&A;ローカル鉄道の廃止と地域公共交通の利便性に関するQ&A;地方自治体の責任と役割に関するQ&A;国の責任と役割に関するQ&A;地域社会における鉄道の役割に関するQ&A)
第3部 地域のための鉄道を求めて(鉄道は「社会的生産過程の一般的条件」;JR北海道のもっている矛盾と二つの解決の道;第一の道における理論的な枠組み―「生産者と消費者」の欺瞞性;第二の道をもとめて―鉄道の再生の展望)
著者等紹介
安藤陽[アンドウアキラ]
所属:埼玉大学名誉教授。専門:公企業論、鉄道経営論
桜井徹[サクライトオル]
所属:日本大学名誉教授。博士(商学)。専門:企業統治論、公益企業論
宮田和保[ミヤタカズヤス]
所属:北海道教育大学名誉教授。専門:社会経済学(マルクス経済学)、言語論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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