内容説明
わすかな低線量内部被ばくでも胎児や乳児への影響は極めて大きい。その驚くべき脅威を解析。
目次
第1章 内部被ばくと外部被ばくのちがい(放射線の種類と透過性;細胞分裂周期の時期による放射線への感受性のちがい;放射線の生体への作用―最近わかったこと ほか)
第2章 実効線量係数のカラクリ(セシウム;ヨウ素;ストロンチウム)
第3章 低線量被ばくの健康影響に関する最新情報(乳児白血病の発症―二相的線量応答の実例;ベラルーシの子どもの心臓障害;ベラルーシの子どものセシウム一三七による汚染 ほか)
著者等紹介
長山淳哉[ナガヤマジュンヤ]
1947年高知県生まれ。九州大学大学院医学研究科博士課程修了。元米国・国立環境保健研究所生殖発生毒性学部門博士研究員。元九州大学大学院医学研究院准教授。医学博士。大学院時代、ライフワークの原点ともなったカネミ油症の原因物質PCDFs(ダイベンゾフラン、ダイオキシン類の一種)を発見。また、2010年には、胎児性油症の原因物質もPCDFsであることを保存臍帯の化学分析により証明。英文論文126編、国際学会発表96回(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
3
ICRPのガン発症に対する放射線被ばくのリスクは、もっぱら広島と長崎の原爆被災者の追跡調査データによっている。しかし、この被ばくは急性の高線量外部被ばくである。当然、外部被ばくと内部被ばくでは、放射線の影響は全く違う。そのことを考慮していないICRPによる放射線のリスク評価は根本的に間違っていると言える。内部被ばくと外部被ばくの根本的違いは、外部被ばくの場合、低線量では、細胞が同時に二つ以上の粒子線の照射を受けることはほとんどないのに対し、内部被ばくでは、低線量であっても十分に遺伝子や染色体が損傷される。2014/03/26