内容説明
チェルノブイリ事故の10年後、救援活動と被害の実態を調査してきたチェルノブイリ国際医療委員会(IMCC)の提案を受けて、オーストリアのウィーンでチェルノブイリ人民法廷が開催された。国際原子力機関(IAEA)が、甚大な被害を隠蔽し、矮小化し、原発推進を正当化しているなかで、この法廷では、現場の医師、研究者達が次々証言に立ち、事故後の被害の緻密な統計、とりわけ子どもたちの被害実態を明らかにした。事故後、死亡者は数十万人に及び、様々な健康被害、畸形や障害などが多発していることも明るみに出た。本書は、この貴重なチェルノブイリ人民法廷の全記録である。
目次
聴聞
証言開始にあたって
第1部 事故と、他所の原子炉への影響
第2部 チェルノブイリと犠牲者の諸権利
第3部 環境と人体の毀損に関する証言
第4部 チェルノブイリに帰因できる直接的な健康被害
第5部 日本の体験。広島、長崎
第6部 国家機関および国際機関の対応
第7部 結論
判決
著者等紹介
フェルネクス,ソランジュ[フェルネクス,ソランジュ][Fernex,Solange]
1934年、ストラスブール(現・フランス)生まれ。ヨーロッパで最初の環境保護政党を立ち上げた女性である。欧州議会議員(1989~94年)、国際平和事務局(ジュネーブ)副代表(1994~98年)。2001年、「核のない未来賞」を受賞。2006年、逝去
竹内雅文[タケウチマサフミ]
1949年東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。著述業(フランス現代思想・日本神話論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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