内容説明
本書はアメリカでのユニオン・バスターの歴史を赤裸々に暴露した本である。労使関係の裏側でユニオン・バスターがどのように暗躍してきたのか、法律がどうユニオン・バスターの活動を支えてきたのか、その実態を余すことなく活写して見せた。労働組合の組織率が12%台に低下した背景には、驚くべきユニオン・バスターの活躍が…。
目次
クラバット炭鉱
ユニオン・バスターの起源
誘惑
楽園
ワールド航空
あらし
悲哀
コープランド・オークス
消耗戦
ゲート・ミルズ
毒
転落
黙示録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともくん
8
言葉に出来ないような汚い手口で、従業員を疑心暗鬼にさせて労働組合の結成を叩き潰し、雇い主の経営者からは、法外な金額の報酬をむしり取っていく、ユニオンバスターと呼ばれる、対労組対策コンサルタントの懺悔録です。彼らが関わった後は、社内の信頼関係も、経営もガタガタになり、結局は倒産してしまうことが多い。この本に書かれている経営者たちに善人など1人もおらず、常に社員をコントロールすることしが考えていない。私にとっては、会社との付き合い方を考え直す、良い機会となった。2014/11/24
本の紙魚
2
「ピンカートン探偵社」について読むつもりが、間違って図書館で予約してしまったものの読了。60年代から80年代にかけて「組合つぶし」を生業としていたチンピラ上がり・前科者・離婚歴ありの男性が口先八寸で巨額の収入を手に入れて、美しい妻と立派な家というアメリカンドリームがアルコール中毒と良心の呵責に蝕まれて終わりを告げるまで。「悪銭身につかず」とは良く言ったもの。組合潰しの追い風となった、レーガン政権の反共産主義が蒔いた問題の種はアメリカ国内のみならず世界のあちこちに残っている。少し長いのと、翻訳が読みにくい。2023/01/04
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