出版社内容情報
本書を推す!辻原登[作家]
大逆事件の「前夜」と「事件以後」が、豊富な資料と証言、犀利な分析によって正確・精細に描かれる。当時の新宮を中心とする時空間が生々と甦って来る。
すると、「事件」そのものではなく、「事件」の真実が姿を現わしはじめるのだ。事実ではなく、真実が。
内容説明
大石誠之助・新宮市“名誉市民”実現!
目次
第1部(「大逆事件」と紀州新宮;禄亭と寒村―廃娼論議をめぐっての絆;大石誠之助の言論にみる「半島的視座」と現代―「大逆事件前夜」の紀州新宮)
第2部(「毒取る」大石誠之助と被差別部落のひとびと;禄亭大石誠之助の視た日露戦中・戦後の熊野新宮の諸相―『牟婁新報』紙への係わりと、書かれざりし「熊野放棄論」の行方;一九〇八、〇九年における、大石誠之助と沖野岩三郎との接点)
第3部(高木顕明の紀州新宮時代;「大逆事件」と成石兄弟)
第4部(堺利彦(枯川)、ふたたびの「熊野行」―遺家族慰安の旅の途中で
西村伊作・「冬の時代」その「思想的」断片
熊野における「大逆事件」余聞)
第5部(大石誠之助における「信仰」の問題;大石誠之助の獄中落書きに寄せて ほか)
著者等紹介
辻本雄一[ツジモトユウイチ]
1945年和歌山県新宮市の生まれ。早稲田大学国文科卒。和歌山県南部の県立高校で国語科教師、特に母校の新宮高校では27年間勤務、『新高八十年史』(県立新宮高校同窓会刊)の編纂に関与。新宮市の県立みくまの養護学校校長を最後に定年退職。1989年、新宮市の佐藤春夫記念館開館に伴い、展示計画から係わり、同記念会の理事を歴任、退職後の2007年9月から館長。『新宮市史資料編』・『本宮町史』・『鵜殿村史』などの編集委員。作家中上健次が主宰して、1990年新宮に開講した熊野大学に、準備段階から運営委員として参画。2001年に設立された新宮市の「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」顧問。日本文学協会、日本社会文学会、初期社会主義研究会、大逆事件の真実をあきらかにする会などの会員、各機関雑誌に論文を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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