出版社内容情報
シェイクスピアの〈マクベス〉上映中に起きる殺人事件。容疑者は関係者のみ。シリーズ探偵のアレン警部が不可解な謎に挑む!
内容説明
シェイクスピアの戯曲“マクベス”上演中に起きる不可解な事件。容疑者は関係者のみ。シリーズ探偵のアレン警部が謎に挑む!
著者等紹介
マーシュ,ナイオ[マーシュ,ナイオ] [Marsh,Ngaio]
1895‐1982。ニュージーランド、クライストチャーチ生まれ。ニュージーランド大学在学中に書いた戯曲“A Terrible Romantic Drama”が劇団主宰者の目に留まり、女優や演出家として活躍。1929年の渡英後、『アレン警部登場』(1934)で作家デビューし、演出家や脚本家としての仕事を続けながら小説の執筆も行った。62年にカンタベリー大学の名誉博士号を授与、67年には大英帝国勲章の称号を得ている。英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞に二回採られ、78年にはアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞した
丸山敬子[マルヤマケイコ]
立教大学法学部政治学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翠埜もぐら
18
「マクベス殺人事件」のはずが全体の2/3を過ぎるまで、「殺人事件」は起きず、起きたら起きたであっという間の解決でしたが、舞台を作り上げていく群像劇が手に汗握って全く退屈しませんでした。いや「殺人事件」よりはらはらしたかも。犯行の動機が、子供に逆恨みした人物の悪意ある行為がきっかけだったわけですが、犯人の異常さは別として私的には納得もしたし面白かったです。「マクベス」上演に関するジンクスや迷信もうまい伏線でした。しかし相変わらずアレンさん、影薄いなぁ。アレン警部シリーズなのに、この人が一番個性がないような。2023/10/15
UPMR
4
マーシュの遺作。お得意の演劇モノかつマクベスの演出案に挑んだ意欲作ではあるのだが、前半が丸々とマクベス劇の幕開けまでの顛末の描写に費やされ、後半になるまで殺人が起こらないという構成は、犯人が分かりやすい&動機が唐突で不自然という瑕疵とも相俟って、正直なところ、ミステリ部分が付け足しみたいな印象を大いに受けてしまう。前半の演劇が組み上がっていくまでのスピーディな筆は、演劇に興味がある人なら楽しめるとは思うが、ミステリ的にはあまり寄与していなかったのがもったいなく感じた。2023/12/11
nightowl
3
不吉な劇「マクベス」のリハーサル中に起きる不穏な出来事。果たして劇は無事に上演されるのか?シリーズキャラクターの出番は?ミステリ黄金時代の作家が現代ミステリ風のプロットに挑戦した作品。じわじわと真綿で首を絞めるように何かが起ころうとしている丹念な稽古描写に胃がきりきりしてくる。その緊張感でかなり引っ張るのでサスペンス好き向け。なお演劇好きとしては、問題児タイプの演技巧者でぎすぎすする人間関係がかなりリアルに感じた。2023/06/11
ヨッシー
1
新刊41冊目2023/10/03