出版社内容情報
白亜の海岸で化石に混じって見つかった少年の骨。彼の死は肥沃な黒い土地を巡る悲劇の犠牲なのか……。有罪と冤罪の間で苦悩する名探偵フォーチュン氏。
内容説明
有罪と無罪の間で揺れる名探偵フォーチュン氏の苦悩。白亜の海岸で化石に混じって見つかった少年の骨。彼もまた肥沃な黒い土地を巡る悲劇の犠牲者なのか…。未来を切り拓く正義の裁きが下されるべき者は誰だ！
著者等紹介
ベイリー，Ｈ．Ｃ．［ベイリー，Ｈ．Ｃ．］ ［Ｂａｉｌｅｙ，Ｈ．Ｃ．］
ヘンリー・クリストファー・ベイリー。１８７８年、英国ロンドン生まれ。オックスフォードのコーパス・クリスティ・カレッジ在学中に歴史小説“Ｍｙ Ｌａｄｙ ｏｆ Ｏｒａｎｇｅ”（１９０１）を執筆し、英米両国で出版された。卒業後はロンドンの新聞社へ就職し、『デイリー・テレグラフ』紙で劇評を執筆、従軍記者や論説委員としても活躍した。１９２０年刊行の短編集『フォーチュン氏を呼べ』は、エラリー・クイーンが歴史的価値のある短編集をまとめた“クイーンの定員”に採用されている。１９６１年死去（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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NAO
56
肥沃な黒い土地と何も育たない石灰層の丘からなり〈黒い土地と白い土地はいつの時代も争いの種である〉と言われるイギリス南部の架空の村ダーシャー州コルスバリー。崖崩れが起きた白亜層から絶滅した象の骨に混じって１０年ほど前に死亡したと見られる男の子の骨が発見されたことから、新たな事件が起こる。没落して土地を失う一方のアストン家とアストン家から黒い土地を奪ったトレイシー家の歪み合いに絡めたロミオとジュリエットのようなラブロマンスも織り込まれてはいるが、話の展開はもったりしているし、ラストの独断も予想通り。2023/04/16
maja
19
英国南部、発掘に励む友人の招きで農村地を訪れたﾌｫｰﾁｭﾝ医師は退役軍人が見つけた「巨人の骨」のなかに人骨があるのに気がつく。どうやら10年前に行方不明になった地元の名家の少年らしい。架空の村ｺﾙｽﾊﾞﾘｰを舞台に、土地を巡る古くからの因縁を軸にしたﾐｽﾃﾘで警察本部長の尊大な態度やいまいち考えが窺えない警視、それぞれ訳ある旧家、そしてその娘と息子のﾛﾏﾝｽに絡む新参者の資産家など様々な謎の散らし方がみんな怪しくみえて読ませる。2023/09/22
スイ
13
肥沃な“ブラックランド”と痩せた“ホワイトランド”で土地の争いが長年続く場所で、少年の骨が見つかり、居合わせた探偵フォーチュンが謎を解いていく、のだけど。 全然手掛かりがなさそうな序盤で、「要素が多すぎる！」と嘆くフォーチュン。 もう面白い。 皮肉や引用ばかりの鼻持ちならない奴だけども、読者としてはその発言も楽しかった。 結末は、私としては、それでいいの…？と思うのだけど。2023/04/30
カーゾン
9
M:「死者の靴」が余り印象に残っておらず、さほど期待せずに読み進めていったが、思った以上に面白かった。トリックと言えるものは無いが旧地主の対立、新興資産家の土地あさり、田舎のヒエラルキーに組み込まれて腰の重い警察幹部（しかも頭が悪い）に対立する地主の息子娘のロマンス、探偵への殺害未遂等、エピソード盛り込みすぎではと思える位のサービスぶり。小生は送料込み1800円位で入手したが、定価3520円するので、図書館で見つけてどうぞ。 尚、探偵はこれくらい傲慢で良いと小生は思っているので、この点の不愉快さは無し。2023/12/30
ヨッシー
1
新刊9冊目2023/03/31
