内容説明
なかにし礼の原点は、少年時代の満州での、祖国に捨てられたという思いと引揚者としての異邦人体験にあった。恋愛の歌に自らの戦争体験を忍ばせたことにもそれが窺われる。売れっ子作詞家時代はもちろん、直木賞作家として、その後の闘病生活を通じてその思いを片時も手放さなかった。―彼の闘いの生涯を一貫して“詩と真実”の視点から解き明かす。
目次
第1章 異邦人の覚醒
第2章 創作への助走
第3章 詩人の誕生
第4章 歌謡曲と国家の影
第5章 思想としての“昭和歌謡”
第6章 方法的飛翔―『夜の歌』の世界
第7章 なぜ闘うのか、なぜ闘えるのか
第8章 なかにし礼の“詩と真実”
著者等紹介
添田馨[ソエダカオル]
1955年宮城県仙台市生まれ。慶應義塾大学文学部独文科卒業。詩人・批評家。詩集に『語族』(第七回小野十三郎賞)『民族』(ともに思潮社)、『非=戦(非族)』(響文社)、評論集に『戦後ロマンティシズムの終焉―六〇年詩の検証』『吉本隆明―現代思想の光貌』(ともに林道舎)、『吉本隆明―論争のクロニクル』『ゴースト・ポエティカ―添田馨幽霊詩論集』(ともに響文社)、『クリティカル・ライン―詩論・批評・超=批評』(第二十一回小野十三郎賞、思潮社)、『天皇陛下(8・8ビデオメッセージ)の真実』(不知火書房)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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