内容説明
一杯の紅茶に秘められた歴史物語。お茶が大富豪にしか手が届かない贅沢品だった時代から、華麗なティールームやアフタヌーンティーの浸透を経て、誰もが気軽にティータイムを楽しむ時代へ―。英国で進化を遂げてきた喫茶の歴史を豊富な図版と共にひもとく、美しい“お茶の文化誌”。
目次
新奇な贅沢品
18世紀のお茶
お茶の民主化
現代の喫茶
著者等紹介
マセット,クレイ[マセット,クレイ] [Masset,Claire]
ナショナル・トラストが刊行するガイドブックの編者として、Heritage Magazineをはじめ数多くの雑誌に寄稿する他、The English Garden Magazineの編集長も兼任する
野口結加[ノグチユカ]
慶応義塾大学文学部英文学科卒業。料理研究家。専門分野は、スコットランドの食文化。国内外でマクロビオティックの料理クラス担当も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
29
「イングリッシュ・アフタヌーン・ティ」…英国人が産み出した、最高の食文化と言っても過言では無いだろう。アッサムに淵源する茶文化は東へ伝わり茶道に、英国では紅茶文化に結実した。日本では山中に自生する、茶の木の枝を毟って焚き火で焦がし、そのまま「山番茶」として飲む野趣溢れる喫茶法もある。それに比して、茶の自生しない英国においては、「ただ、消費する」為だけでティーパーティーやティールームと言った、素晴らしい文化が花開いたのである。では、次の休みは長楽館でお茶を飲もう、オッサン一人で。奇異の目で見られながら。2021/09/24
くさてる
18
題名通り、英国の紅茶にまつわる文化を紹介した本。薄いけれどそのぶんコンパクトに、紅茶とイギリスの歴史がまとまっていて分かりやすいです。カラー図版も豊富に収録されています。2021/03/13
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
14
▼アジアから輸入された茶が、英国で「紅茶」となり、それを楽しむ文化がどのように展開してきたのか、そのようなことが綴られている。▼本のサイズ感の割に高価な本だ。 ▼しかし、本全体の質感、中にある挿絵の美しさなどを味わうと、価格なりの価値を実感できることになる。▲ページ数が少なく、あっという間に読み終えた。詳細な紅茶史は別の本で学ぶ方が良い。しかし、手元に置いて紅茶を飲みながら、たまにパラパラと開くと優雅な気持ちになる事が出来ると思う。2022/06/21
miaou_u
14
英国に於けるお茶の歴史文化が大まかに紹介された本。先日『奴隷船の世界史』を読んだばかりで、英国のお茶文化の背景には茶葉しかり、チョコレートしかり、砂糖しかり、、暗い歴史もどうしても念頭に置かずして読めなかったのですが、だからこその対比を感じながら、以前見かけた戦時中の瓦礫の中でお茶する兵士や市民の写真を思い浮かべ、英国の人々に根付いた紅茶文化に思い馳せながら読了。そして照明、目覚まし、お茶&コーヒーメーカーの合体した『ティカル』、目覚ましが鳴って起きたらお茶が入っているとは最高ではないですか!?今ほしい!2021/01/28
timeturner
5
個人的な思い入れや感想を排し必要不可欠な知識をコンパクトにまとめてあるので読みやすい。図版が大きく、オールカラーで掲載されているので、昔の人たちがどんな状況でどうやってお茶を楽しんでいたのかが具体的にわかって興味深かった。2021/06/06