内容説明
第2巻は、戦前作のなかから厳選した短篇・中篇・長篇3篇。コミカルな描写で戦争に警鐘を鳴らした注目作「僕の日記」をはじめて収録。『児童・泣虫小僧』実父を亡くし、母親の愛情もうすい啓吉少年の切ないこども心を温かく見守る。『朝日新聞』連載小説の児童向け改作版。戦後はじめての復刊。大人に読んでほしい作品。『小さい花』林芙美子の旅の古里といえる尾道・因島を舞台に、奉公に出された貧しい少女由の娘心を描いた秀作。『僕の日記』対米戦争突入直前に発表された日記体作品。はじめての単行本化。童話集に詩をちりばめた新鮮な編集。小学校低学年から高学年児童まで楽しめる総ルビ。
著者等紹介
林芙美子[ハヤシフミコ]
1903(明治36)年生まれ、1951(昭和26)年6月28日没。詩集『蒼馬を見たり』(南宋書院、1929年)、『放浪記』『続放浪記』(改造社、1930年)など、生前の単行本170冊
廣畑研二[ヒロハタケンジ]
1955(昭和30)年生まれ。東京都立大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
19
子ども向けの童話集として書かれているからでしょうか、作品それぞれの人物描写がはっきりしていて、感情移入しやすいのですが、内容は大人としても心に響く童話集です。 「泣虫小僧」の啓吉の境遇には、大人たちに振り回される子どもの悲しみを見ました。再婚した母親は、前夫との子どもの啓吉は疎ましいのでしょう。薄幸の中で、親に見捨てられた啓吉のこれからがとても気になりました。 2021/09/28
きょう
7
童話は子どもが主人公ですが、大人の今読むとズシンとくるものがあります。子どもの時にまず読んで、進学や引っ越しなどの折々に読み返す、蔵書の価値がある本だと思います。時代背景が違うとはいえ、子どもは家族の問題に左右されて心細く感じながらも生きて成長します。詩も口ずさんでみました。林作品ではないけれど、私の実家から子どもが貰ってきた本が自宅にあることを思い出し読み直そうと思いました。2025/08/29
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- 和書
- ロード&ゴー 双葉文庫