内容説明
2012年に大阪市で起きた「実姉殺人事件」と2017年の津久井やまゆり園の「優生思想テロ事件」は連動している、とした著者の7年間にわたる“法廷ドキュメンタリー”の集大成。障害と犯罪と司法に新視点を導入する!
目次
プロローグ パラダイムの転換と“新しい潮流”の背後にあるもの
第1部 ドキュメント 大阪地裁判決はなぜ求刑を上回ったのか(二〇一二年七月、ある判決、噴出する批判―アスペルガー症候群と裁判員裁判;加害男性の見ていた世界―なぜこのような惨劇がおこったのか;男性は何を語ったか―大阪に弁護団を訪ねて;高裁判決と弁護団のふり返り―刑事弁護と情状弁護;出所者を福祉につなぐ―「地域生活定着支援センター」の現状と課題)
第2部 「障害と刑事弁護」、その始まりと先駆者たち(「知的障害」をもつ人の刑事弁護はどう始まったか―「悪い障害者」は支援しないのか;副島洋明という刑事弁護人―「金を払って弁護士を雇え!」;「自閉症スペクトラム障害」を初めて正面にすえて闘う―二〇〇五年大阪寝屋川事件で少年の「障害」はどう裁かれたか;更生支援、まずは支援者こそ発想の転換を―「ふるさとの会」の生活支援と司法との連携)
第3部 司法と福祉の協働が新たな「人権侵害」とならないために(福祉の仕事は「再犯防止」か―「更生支援計画書」の誕生、ある社会福祉士の危惧;治療的司法と新しい「協働支援」―排除型の裁判から社会包摂へ;社会内処遇の新たな試み―更生を支えるものはなにか;協働的更生支援、これからの課題―支援の理論と方法)
エピローグ 新しい更生支援のその先へ
著者等紹介
佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年生まれ。秋田県出身。養護学校の教員を20年以上勤める。その後フリージャーナリストとして活動。批評誌『飢餓陣営』の主宰者として、思想・文学・心理学など幅広い分野で評論活動も行う。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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