内容説明
ふゆ―はつゆき、わたりどり、クリスマス、おしょうがつ。くっきりと冬をえがいた短編と詩十五編を収録。
著者等紹介
野上暁[ノガミアキラ]
1943年長野県生まれ。評論家、作家。子ども雑誌、児童図書、一般図書の編集に長年かかわる
松林誠[マツバヤシマコト]
1962年高知県生まれ。創形美術学校研究科版画課程修了。1995年ザ・チョイス年度賞大賞受賞。1998年第一回ふくみつ棟方記念版画大賞入選。1999年第一回池田満寿夫記念芸術賞展入選。東京、パリ、高知など各地での個展に加え、子どもたちにむけてワークショップなども開いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
84
冬をテーマにセレクトされたバラエティに富んだ短編集や詩。工藤直子さん「雪」躍動感がありユーモラス。表現力が素晴らしい。星新一さん「悲しむべきこと」サンタクロースも世知辛い。干刈あがた「十二月ドミドミソドドド」1950年代の少女を主人公にした話。連作のようなので最初から順番に読んだ方が良いかも。岩瀬成子さん「カルシウム」野良猫の厳しい現実の中で起こった不思議。ほんのり温かみが感じられる余韻が残るラスト。那須正幹さん「日記」こんな日記帳嫌だ。木坂涼さん、「ゾウガメ」これは縁起が良い。年の初めにぴったりの本。↓2019/12/13
ちえ
33
12月から2月まで冬の3か月。各月それぞれ詩、次のページに俳句(夏目漱石、服部嵐雪、川端茅舎)続いて短編5編。冬かな?というのもあるが、懐かしい星新一、大好きだった干刈あがた(「野菊とバイエル」読み返そう)上野瞭の「ぼくらのラブコール」はまるでディストピア小説の一場面、安東みきえの「小さい草からのながめ」安房直子「雪の中の青い炎」飯田栄彦「葉書」は読んでいて心が痛くなるけれども読み終えると優しい気持ちになった。2020/02/02
tokotoko
21
冬はちょっぴり活動的でなくなる分、自分の心が気になってしまう季節。この本は、そんな心にいろんな体験をさせてくれた。ちょっと怖くてゾクッとしたり、面白!かったり。子どもの頃の純粋な「不安」を味わったり。妙に冷静になったり、優しい気持ちになったり、わくわくもあった。児童文学で名の知れた、15人の作家の詩や短編。児童文学で素敵だなって思うところ・・・それは、大人を、子どもの視点から眺められるところ。大人って意外と勝手!わがまま!ってわかる。素直に反省しなきゃって思える。冬の間にいっぱい反省して、春を迎えよっと!2013/12/27
さゆ
15
これも、何歳くらいが対象とされているのだろう。むしろ大人向きなのではないだろうか?それとも、こういう微妙な物語は子どもには解らないだろうと思う私の認識の方が間違っているのだろうか?どれも、いいんですよ。すごくいいんです。ただ、今どきの子ども達に、この世界観は伝わるのだろうか?と疑問に思うだけです。2010/12/25
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
『 雪 / 工藤直子 悲しむべきこと / 星新一 十二月ドミドミソドドド / 干刈あがた カルシウム / 岩瀬成子 日記帳 / 那須正幹 ゾウガメ / 木坂涼 たぶん、ぼくは。/ ひこ・田中 カメレオンか?人間か?/ 長新太 ぼくらのラブ・コール / 上野瞭 小さい草からのながめ / 安東みきえ ちいさなひょうざん / 小野寺悦子 ぐうぜんの風景 / 村中李衣 雪の中の青い炎 / 安房直子 葉書 / 飯田栄彦 あのひと / 荻原規子 』2021/04/08