内容説明
遺言書の秘密、不気味な降霊術、介護放棄の疑惑…急逝したジョン・クラヴァートン氏を巡る不可解な謎。友人のプリーストリー博士は“真実”に到達できるのか?
著者等紹介
ロード,ジョン[ロード,ジョン] [Rhode,John]
1884‐1964。本名セシル・ジョン・チャールズ・ストリート。別名義にマイルズ・バートン、セシル・ウェイ。英国生まれ。元陸軍少佐だが、詳しい略歴は不明。1924年、“A.S.F”(1924)でミステリ作家としてデビュー。25年に発表した“The Paddington Mystery”以降、多数のミステリ作品を発表し、ディテクション・クラブの主要メンバーとしても活躍した
渕上痩平[フチガミソウヘイ]
英米文学翻訳家。海外ミステリ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
118
1世紀近く前の英国ミステリ。プリーストリー博士が久しぶりに訪ねた友人が数日後に突然なくなる。胃疾患の持病を抱えていたとはいえ...。彼の財産相続の行方もあるから、疑わしい人はたくさん。まあ、みんなが揃いも揃って財産狙いに見えること、見えること! 何を考えてるのだかわからない人や、なかなか会えない人など翻弄される。たのしかった。2019/04/24
maja
15
疎遠になっていたジョン卿を訪ねるプリストリ-博士。屋敷で目にしたのは不可解な対応をする親族と同居して臥せる旧友の姿だった。何かを伝えたそうなまま急死してしまうジョン卿。毒殺されたのか、これは事件と言えるのか?この時代の手紙や訪問で進む捜査過程、博士を前にして人々の表情が一瞬ネガで捉えられたように浮かぶひとこまや女性たちのわけのありそうな感じも怪しくてよかった。すっかり内容を忘れて再読。2022/09/11
Naoko Takemoto
11
創論社はよくぞこういうマニアックな古典ミステリをほじくり出してくるものだ…と感心する。数学者プリーストリー博士は、旧友クラヴァートンに呼び出され、久々に出向いた邸には、風変わりな者たちがいた。不審に思いつつ、クラヴァートンは急死する。その死に疑問を抱いたプリーストリー博士は…古典的で話のオチも気をてらわないが、紳士ばかりが登場する20世紀初頭のイギリスが舞台のミステリは上品さが漂う。こういう雰囲気は好きだな。難をいえば、いつから創論ミステリの装丁はダサくなったのか。間違えて児童書棚に入れられそうな。2019/04/22
tokyo-zodiac
3
2019年度<本格ミステリ・ベスト10>海外第18位。疎遠だった旧友ジョン・クラヴァートンから手紙をもらい、彼の邸を訪ねたランスロット・プリーストリー博士は、やはり彼ら共通の友人で、今はクラヴァートンの主治医をしているビル・オールドランドとも再会する。その晩、プリーストリーの家に招かれた医師は、クラヴァートンの胃の病気はたいして重くはないが、数週間前に一度病状が急変することがあり、検査した結果、誰かに砒素を飲まされた可能性があったことを打ち明ける。急に便りをもらったことと考えあわせ、クラヴァートンに対し…2020/05/26
近所のネコฅ
2
★★☆☆☆2019/06/09