内容説明
カンパーニャを愛し、牧歌的な情景を描き続けたクロード・ロラン。自然の探求から「理想風景画」の基盤をつくった画家を軸に、17世紀風景画の成立と展開、そして19世紀の自然主義との関連を描き出す。
目次
1 理想風景画の「兆候」(一六世紀ローマの風景画事情;ローマの外国人画家たち;アンニーバレ・カラッチの貢献)
2 理想風景画の「誕生」(カンパーニャにおける自然研究;一六三〇年代の達成と飛躍;一六四〇年代の理想風景画)
3 理想風景画の「諸相」(クロードとプッサン;クロードと「ロクス・アモエヌス」;理想風景画とステージ・デザイン;オウィディウスとウェルギリウス)
4 理想風景画と「一九世紀」(ふたたびカンパーニャについて;「断片」の絵画の興隆)
著者等紹介
小針由紀隆[コハリユキタカ]
東京都生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程、フィレンツェ大学でイタリア美術史を学ぶ。静岡県立美術館学芸部長を経て、静岡文化芸術大学文化政策学部教授。専門は17世紀イタリアにおける風景画に関する諸問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
1
クロード・ロランは、17世紀のイタリア画壇で風景画を大成させた画家。のちにグランド・ツアーを通してイギリス風景画にも大きな影響を与えたことでも有名。 本書は、個人としてのクロード・ロランに焦点をあてたというよりは、副題にある「理想風景画」の成立を主要テーマとしている。美しく調和のとれた風景が、それまで神話画や宗教画が重んじられていた画壇で、いかにしてジャンルとして成立していったかが、当時のローマに集まった画家たち、パトロンとの関係、ローマ近郊の自然風景との関係などから論じられていく。 2021/11/18
Bevel
0
本の作りがきれいだった。2023/06/26