内容説明
“風土こそ歴史を生む母なる大地である”―環境文明論を学ぶことの意味からはじまって、未来の生命文明のあり方まで、これまでの環境考古学・環境文明論に関する論考を一冊にまとめた「安田文明論」の決定版。新たな世界史はここからはじまる。
目次
第1章 環境文明論とは
第2章 環境文明論の最新の方法―年縞の発見
第3章 照葉樹林文化論と農耕起源論
第4章 稲作漁撈文明論―長江文明の発見
第5章 気候環境文明論
第6章 森林環境文明論
第7章 動物環境文明論
第8章 環境生命文明論―未来は生命文明の時代
著者等紹介
安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年三重県生まれ。東北大学大学院修了。理学博士。広島大学助手・国際日本文化研究センター教授・東北大学大学院教授などを歴任。現在、立命館大学環太平洋文明研究センター長・ふじのくに地球環境史ミュージアム館長・国際日本文化研究センター名誉教授・ものづくり生命文明機構理事長。スウェーデン王立科学アカデミー会員・紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
46
本書の著者、安田喜憲さんの『環境考古学事始』を読んだのは今から丁度40年前のことである。環境考古学という言葉にあまり馴染みはなかったけれども、当時ようやく盛んになりつつあった鳥浜貝塚や瓜生堂遺跡などの低湿地遺跡の発掘や花粉分析の成果などを通して、何枚ものスケッチで示された旧石器から縄文、弥生時代の原風景は、日本の原始時代に興味を持っていた私の心に灯をともし続けた。今回書棚の奥から取りだしてきた本書は、その後の安田先生が考古学徒として辿った研究の道のりと成果の集大成とも言うべきものである。梅原猛先生との→2021/03/31