内容説明
人間として、画家として―善意の人、敬虔なプロテスタント、弱者に寄り添うヒューマニスト、オランダ伝統の清教徒、情熱的な理想主義者…多くの顔をもつゴッホが生涯をかけて描き、訴えたかったのは何だったのか。肖像画・風景画・静物画・デッサンほか作品世界を一望し、遺された膨大な書簡も繙きつつ、その芸術と心の旅路をたどる本格評論。
目次
1章 初期の名作“馬鈴薯を食べる人達”とその周辺(ゴッホと農民画;図像的源泉;リアリズムと精神性)
2章 多彩な自画像と描かれたパイプの謎(自画像とその周辺;ゴッホにおける肖像画と自画像;パイプの謎)
3章 リアリズムの表象としてのモチーフ“古靴”(ゴッホと静物;モチーフとしての靴;描かれた靴;ゴッホのリアリズム;ゴッホの古靴;二つの議論;この世の旅人)
4章 “烏の群れ飛ぶ麦畑”が暗示する“心の北帰行”(“終焉の地”オーヴェールのゴッホ;凄絶なゴッホの遺言状“烏の群れ飛ぶ麦畑”;その画面形式について;ゴッホにおける麦畑;烏=死の予感?;諸家の解釈;ゴッホの北帰行)
5章 “アルルのはね橋”ほかの「橋づくし」(橋さまざま;印象は以前の橋;印象派の橋;“アルルのはね橋”とその周辺)
6章 魂の独白としてのゴッホのデッサン(デッサンの芸術;デッサンへの道;魂のモノローグとしてのデッサン)
著者等紹介
千足伸行[センゾクノブユキ]
美術史家、成城大学名誉教授。1940年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、TBS(東京放送)を経て国立西洋美術館に勤務。1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてミュンヘン大学に留学。主にドイツ・ルネサンス美術を学び、帰国後、国立西洋美術館に復帰。1979~2011年、成城大学に勤務、現在は広島県立美術館館長。ヨーロッパ近代、特に世紀末美術を専門とし、多くの展覧会も企画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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