内容説明
時に学者として、時にジャーナリストとして、右派的な言説を絶えず社会に発信し、帝国日本の国家ベクトルを論理的に正当化する思想活動を営み続けたエリート国家主義者・綾川武治(1891‐1966)。綾川に関する史料・資料を整理し、これまで未詳な点があまりにも多かったその思想と行動を、近代日本政治思想史の中に鮮明に跡付ける。
目次
第1章 修学・形成期―出生~一九一〇年代(『田舎教師』の世界に生まれて;北辰斜めにさすところ ほか)
第2章 確立・行動期―一九二〇年代(満鉄研究員として;猶存社の日々 ほか)
第3章 将来の戦争と高次国防―シヴィリアン・インテリジェンス・オフィサー綾川武治(将来の人種戦争;敵は国際協調主義 ほか)
第4章 円熟期―一九三〇年代~四〇年代前半(純正日本主義対国家社会主義;右派ジャーナリストとして(その2) ほか)
終章 晩期―一九四〇年代後半~死没(公職追放、そして;戦後の事蹟)
著者等紹介
木下宏一[キノシタコウイチ]
1974(昭和49)年、埼玉県上尾市に生まれる。現在、保健医療経営大学講師(非常勤)。九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程在籍中。近代日本思想史・文学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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