内容説明
不気味で不吉で知られることのない陰気な屋敷で起こる怪奇現象の数々。怪盗グレイファントム、侠盗ピカルーンシリーズで人気を博したハーマン・ランドンが放つ、本格密室推理小説。
著者等紹介
ランドン,ハーマン[ランドン,ハーマン] [Landon,Herman]
1882‐1960。スウェーデン、ストックホルム生まれ。1899年にアメリカへ移住。新聞記者として生活を始め、33歳の時に“ワシントン・ヘラルド”紙の記者になる。作家として1920年代から30年代にかけて活躍。“怪盗グレイ・ファントム”シリーズと“侠盗ピカルーン”シリーズは好評を博し、次々と続編を発表した
松本真一[マツモトシンイチ]
1957年生まれ。上智大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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あたびー
35
10年間無実の罪で服役し出所したドナルドは広大な古屋敷に叔父を訪ねた途端叔父が何者かに殺害されてしまう。叔父を深夜訪ねてくる予定はずの人々とは?祖父の呪いは本当にあるのか?紐育という大都会とゴシックが並び立つ不思議な舞台建ては嫌いではないけれど、重要なトリックに関わる人物の存在が最後まで伏せられていたりと読者としてはストレスの溜まる作品でした。伏線の回収にもイマイチ納得行かなかったり。1928年初版。2021/09/01
Kouro-hou
23
タイトル的にはホラーだが、レーベルの通りくくりはミステリ。しかも発表年が1927となかなか古い。これ「アクロイド」の翌年です。著者は怪盗シリーズで人気を博した人だそうで、特に序盤は怪盗モノ的冒険要素もある。メインの怪奇現象の起きる館での密室殺人は意外にもガチ本格(風味)。イマイチ信用性に欠ける主人公に、嘘つきばっかりの登場人物と煙に撒くのも上手い。対象年齢がもしかして低めなのかな?という気もしましたが、本格ミステリ黎明期の古典的作品が好きな人は楽しめそう。なお読者が犯人を当てるのは殆ど不可能ですw2018/03/06
飛鳥栄司@がんサバイバー
7
本作は本格黄金期前の1927年に発表されており、ガジェットは先進的なものだったのであろう。こういう先駆があって黄金期を迎えたのかと思うと、謎解きの脆弱さを許容してしまいたくなる。本格ミステリとしてはやや大味な感じだ。ただ、この作者は怪盗グレイファントムや快盗ピカルーンなどを生み出しており、冒険小説の上手さは本作でも垣間見えている。序盤、主人公のドナルドが巻き込まれる監禁シーンや変幻自在なパッツィー・ゲイルなど、グレイファントムやピカルーンのシリーズに影響を与えているのかもしれない。2014/09/18
いぼいのしし
6
題名からホラーだと思って読み初めたが、密室殺人のミステリーだった。突っ込みどころが多々あったが、90年位前の作品だと思うと良くできてるのかな。2017/08/09
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
ドナルド・チャドマーは殺人で服役していた。出所すると、叔父セオドアを頼って屋敷へ向かう。その屋敷を相続するはずだったが、古色蒼然としており、おまけに不気味な銅像まである。彼の高祖父が造らせたものだった。さらにその部屋には、家族以外に誰かいるようで、ドナルドとセオドアが探索する。その最中、セオドアが心臓発作を起こし、ドナルドが薬を探しているわずかの時間に、セオドアの姿は見えなくなったのだった……。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51537093.html2023/05/22
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