内容説明
「諸君、マッド・ハッターに気をつけろ!」ダンスホールに響き渡ったこの声が奇妙な事件の幕開けだった。休暇用キャンプ“ワンダーランド”で次々と起こるいたずら。テニスボールに糖蜜がかけられ、ベッドに動物の死骸が置かれ…。『不思議の国のアリス』の登場人物いかれ帽子屋を名乗る犯人の正体とは、そしてその目的とは。英国ミステリ界の巨匠ニコラス・ブレイクの初訳長編。
著者等紹介
ブレイク,ニコラス[ブレイク,ニコラス][Blake,Nicholas]
1904~72。本名セシル・デイ・ルイス。アイルランド生まれ。オックスフォード大学在学中の1925年に処女詩集を刊行し、その後、詩集、詩論、文芸評論など、多岐にわたり活躍。68年には第16代桂冠詩人に任命される。ミステリ作家としては、『野獣死すべし』(38)に代表される私立探偵ナイジェル・ストレンジウェイズ・シリーズなどを発表した
白須清美[シラスキヨミ]
早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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本木英朗
22
英国の本格ミステリ作家のひとりである、ニコラス・ブレイクの長編のひとつである。次々起こる奇妙ないたずら。犯人はいかれ帽子屋!という話であるのだが……。一応、読み通したとは言え、なんか面白くなかったかな。とりあえず以上です、はい。2022/06/12
ホームズ
13
ニコラス・ブレイクは初めて読みました。最後の犯人指摘のシーンは面白かったけどそこまでの展開から考えるともっと違った感じの方が良かったかな~。全体的には楽しめたから良いんですけどね(笑)推理以外のポールとサリーの恋の話とか楽しめたかな(笑)2012/04/29
ヨッシー
7
初ブレイク。『野獣死すべし』その他もろもろ早いとこ読まないと。さて本書はどうやらブレイクの中でも異色作らしいです(え、いきなり?)。舞台も事件も何だか幻想的で、いかにも「ワンダーランド」といった趣き。その実はしっかりとした本格ミステリで、次々と容疑者が浮かぶ中、最後に意外な犯人が指摘されます。ということで、面白いんですが……うぅん、最後もうひとひねりしてくれると思ってたんですけど、ちょっと見せ方に失敗してるかも。あと、ポールとサリーがなんか、こう、うざい(笑)悪くはないですが、あと一歩かな、と思います。2012/01/27
ハルト
4
手堅くまとまった、英国らしさあるミステリでした。ワンダーランドという休暇用キャンプで起こる、マッドハッターと名乗る犯人による悪戯。犯人は何者で、何のためにそのような悪戯を起こしているのか。派手さはないけれど、地道に事件を追いかけ推理し犯人を暴くというミステリらしさが味わえました。時代背景なども興味深く。あと素直でないふたりのロマンスが、うぶな感じでかわいらしかったです。2012/01/04
フィッシュ
3
集団保養地「ワンダーランド」で「マッドハッター」を名乗るイタズラ犯の正体を追う。容疑者500人超の中アンケートを行うあたりはワクワクした。2020/01/02