内容説明
屋敷に住む老人と少女。人を寄せつけぬその屋敷からは恐ろしい悲鳴が幾夜も聞こえるという。少女の悲鳴か、あるいは他の何者かの悲鳴か。私立探偵トラヴァースは屋敷へと赴いた。そこで見たものは屋敷に住む老人の他殺死体。時刻は八時八分前。捜査の過程で容疑者は絞られたが、どうしても辻褄の合わぬ十分間が生じてしまう。失われた十分間の謎とは…。アリバイ崩しに定評のあるブッシュによる、最高傑作との呼び声高い逸品。
著者等紹介
ブッシュ,クリストファー[ブッシュ,クリストファー][Bush,Christopher]
1885~1973。本名チャーリー・クリスマス・ブッシュ。イングランド、イースト・アングリア生まれ。ロンドン大学のキングズ・カレッジを卒業後、少佐として両大戦に従事。学校教師を経て作家となる。シリーズ探偵ルドヴィック・トラヴァースが活躍する長編を六十作以上著し、ほかにマイケル・ホーム名義での作品もある
青柳伸子[アオヤギノブコ]
青山学院大学文学部英米文学科卒業。大手事務機メーカー勤務を経て、フリーランスのビジネス翻訳家として独立、幅広い文献の翻訳・編集を手がける。同時通訳養成所講師、国際会議事務局員も勤め、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
36
〔再読〕探偵ルドヴィックのシリーズ16作目。翻訳は5冊位しか無いのが残念な作家さんです。以前ルドヴィック家で働いていた家政婦が、現在の働く家で起こる問題を調べて欲しいと言ってきて、彼が調べに行くと家主の老人の殺人事件に遭遇してしまう。この事件の謎は、犯人と思える人物の行動に説明のつかない10分間の(消え失せた)時間が在ることです。推理物としてはもう少し感が残りますが、真相が分かるとちょっと切なく、ほんのり心が温かになるラストが待っています。探偵自信がアリバイ証人にもなっているという、珍しい形の作品です。2014/07/17
kanamori
0
☆☆★2012/10/01