内容説明
謹厳な判事と敬虔な牧師。尊敬すべき二人の共通点は、なんと“競馬”だった!さらに、判事の息子は決して誇れることのない悪行を生業としていた…。自身も法廷弁護士、そして判事という職歴を持つ法廷ミステリの名手セシルが、法知識をふんだんに盛り込みながらもユーモラスに綴る、判事とペテン師の親子二代記。
著者等紹介
セシル,ヘンリー[セシル,ヘンリー][Cecil,Henry]
1902~76。本名ヘンリー・セシル・レオン。イギリス・ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学キングズ・カレッジを卒業後、法廷弁護士になる。1939年からの5年間に渡る軍隊生活の後、48年に、『メルトン先生の犯罪学演習』でデビュー。翌年から郡裁判所判事を務め、晩年は英国著作権審議会の職に就いた。判事の職務の傍ら、法廷を舞台にしたユーモア・ミステリを次々に発表
中村美穂[ナカムラミホ]
藤女子短期大学英文科卒。札幌市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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本木英朗
15
英国のユーモアミステリ作家のひとりである、ヘンリ・セシルの長編のひとつである。俺は2007年・08年と2回読んでいて、今回で3回目である。謹厳な判事と敬虔な牧師。尊敬すべき二人の共通点は、なんと〈競馬〉だった! さらに、判事の息子は決して誇れることのない悪行を生業としていた……という話である。まったく覚えていなかったので、本当に超面白かったです、ハイ! さすがは作者でありますなあ。創元・早川の長編もまた読んでみるかね、ウフフ!!2023/12/05
masako yamada
1
作者のヘンリー・セシルは法廷弁護士だけに、笑える法定内容も荒唐無稽でありつつもリアル。 P114のルーシーの台詞「あなたがしょっちゅう刑務所へ行くなら、お互いに飽きることもないし、久しぶりに合えたときはすごく盛り上がるんじゃないかしら」は究極の愛の言葉。 判事がサギ師の息子を、責めるでなく愛している。 いいですねえ、英国の古風な法定モノ、読ませます。この判事みたいな父上、ほしいなぁ。 小さい場面だが、競馬場の風景として、どこかの老夫人が勝ち馬の予想の出来そうな紳士に声をかけている様子もほほえましい。2018/11/08
りっか
1
作者が判事だったこともあり、イギリスの法律の編み目のくぐり方や詐欺の手口などについて書かれている。なんつーか、いかにもイギリス的なユーモアたっぷりの本でした。2006/03/13
ネムル
0
判事のパパは競馬場で、ペテン師の放蕩息子は法廷で金儲けと戯れる。なんでやねん2009/02/02