内容説明
パーティの余興だったはずの「殺人ゲーム」。死体役の男は、本当の死体となって一同の前に姿を現わす!謎を解くのは、一見警察官らしからぬアレン主任警部。犯人は誰だ!?―黄金時代の四大女性作家のひとり、ナイオ・マーシュのデビュー作、遂に邦訳登場。
著者等紹介
マーシュ,ナイオ[マーシュ,ナイオ][Marsh,Ngaio]
1895~1982。ニュージーランドに生まれる。高校時代に学園誌の編集、戯曲の執筆や演出に携わった後、美術大学に進学。卒業後はイギリスの劇団に戯曲作家、女優、演出家として参加し、人気作家となった。ストーリーや人物設定・描写に重きを置いた作風には定評があり、クリスティ、セイヤーズ、アリンガムと共に、黄金時代の四大女性作家とされている
岩佐薫子[イワサカオルコ]
1964年生まれ。北海道大学卒業。インターカレッジ札幌在籍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
11
ナイオ・マーシュのデビュー作。貴族の館、執事、殺人事件、スコットランドヤードと好物のオンパレードでした。しかし、インテリでエリートで名家の出と多少変わり種のアレン警部ですが、お育ちが良いせいか個性が薄くてインパクトにかけますね。お手伝いのナイジェル君も「好青年」が全面に出ていて犯人捜しの中でどうやっても候補にならない。殺人事件そのものに山や谷がないのをロシアの秘密結社で補った感じです。でも正直こう言う後味の悪くないミステリって好きなんですよ。そーゆー訳で次もアレン警部物いきます。2021/04/23
紅はこべ
9
デビュー作。お屋敷のパーティーの余興としての殺人ゲームの中で、被害者役の人物が本当に殺される。ロシアの秘密結社が出てきたりして、本格ミステリに冒険小説の味わいが加わる。トリックがややわかりにくかったかな。私だけだろうけど。2008/03/16
J・P・フリーマン
4
招かれた館で今はやりの殺人ゲームをすることに。しかし、実際に殺人が起きてしまう。秘密結社っていうのは当時の推理小説で流行だったのかな。クリスティの作品でもいくつか秘密結社が登場しますし。あと、頭を下にして手すりからすべり降りるってなんだよと思いました。2016/03/17
UPMR
3
警察官らしからぬ洒落物のアレン警部のキャラは結構好きなのだが、この初登場作は正直全然面白くない。殺人ゲームが本当の殺人に発展したという導入は魅力的なのに、それが全然活かされていない、あまりに馬鹿馬鹿しい殺害方法には脱力してしまった。しかも、先にこの殺害方法を仄めかしてから捕り物をする展開運びの下手さのせいで、犯人逮捕のシーンの絵面がかなりシュールなものに。凶器の短剣に絡んだロシア人達のエピソードは完全に物語から浮いている上、そもそもそれが被害者の手元に渡る経緯にまるで理由付けがないのもどうかと思った。2023/07/28
nac
3
★★★⭐︎2022/10/28